2011/9/29
確定申告税務署へ 15日のわずか前
計算せずとも無税かな 年収78万円
おっとどっこい書き直し 今年はめでたく納税者
アルバイトの腕章の 学生乙女にペンを借る
現金札束出すお人 受領の印もポンと鳴る
番号札を呼ばれして、薄い財布を開くなり
浅草税務署街景色 長年住まった蔵前の
隅田川より船の音 越したる棲家は更地まま
子供奇声の保育園 見ればトラック雪を積み
雪かき手馴れた東北の スコップさばきで雪が落つ
今日はこちらに泊まるのか それとも故里帰るやら
明日が見えないメガネでは 今を笑うしか出来ず
今日の納税10日なり 心に刻むは明日の午後
半人前の霊能者 11日が見えて来ず
イエスを逝かせた弟子達も 捕まる明日が見えたなら
ユダをしばらく縛り付く 今は震災前の昼

2011/9/22
職無き身軽さ風寒さ 明けたる2011年
晴れた気持ちで初詣 それほどお気楽人で無し
部屋出て右手は仁天門 重き瓦の浅草寺
他力に助けを望まぬは 師より授かる諭し故
神社仏閣背を向けて 墨田に立ちた電波塔
年明け幕開け闇の明け 冒し難しの陽が出ずる
老いて弱りた目を細め 燃ゆる命陽身に受けば
甘く描いた希望絵図 あれよと胸で灰と化す
どうやら今年も難儀年 魂修行の艱難期
守護する霊が背を押して 半歩踏み出す年初め

2011/9/16
人に叩かれ字を学び 人に小突かれ礼儀知る
人の倫理が身に付けば 生きにくきかな人社会
家族の縁に恵まれず 我に係わる人は敵
人と切りたや煩いの 糸の痛みは鞭ごとし
群れて安堵の人が居る 集団社会の烏合なり
しかし先祖の猿を見て それも然りとツバを吐く
哺乳類とすオス社会 ボスが望むるハ−レムの
お役に立ちましょ尾を丸め 媚びへつらうが多過ぎる
所詮我等は猿回し 脅し付けられ鞭打たれ
怖さ痛さに服従す 社会人なる大人かな
あいにく我は偏屈で 長き物には巻かれまじ
よって時流の異端児は 鼻で笑わる負けの組
強者に従う弱味無し まして覇権の戦ごと
愚かな時風に背を向ける 確かな信念ここに有り
個人が個人を忘れらば 代替利くなる歯車と
己が己を見下しぬ 心の主は何処へやら
正月境内人の輪に 寄りて背伸びで眺めれば
痛みで覚えた猿回し 拍手す猿の顔や顔

2011/9/15
職を奪わる寅の年 明けて兎はどう跳ねる
表舞台の浅草寺 華やぐ人出に背を向けり
言問い通りは部屋の前 渡れば別院乳待山
影を背負いて初詣 石の階段足重し
振る舞い甘酒紙コップ フゥ−ッと一息かけて飲む
除夜の鐘より酔っ払い ノンアルコ−ルは肩透かし
藤棚ツツジの庭園に 元旦早々花見えず
池の主たる錦鯉 冷や水暖取るすべも無し
憂鬱で明けたる新年を 納めたデジカメ腰ベルト
忌む年2011年 PC落とすは9月なり
奉納神楽の笛太鼓 我のふるさと九州の
岩戸神楽と大差あり 能に似たりの舞い踊り
面を付けたる演舞者の 素顔いかがな暮らしかな
我も欲する笑い面 表顔のみつくろいし
本殿賽銭箱の前 頭垂れずに帽子取り
鏡に霞むる我が姿 薄き運よと睨みつく

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