2011/12/8
ぐるりと回る山手線 陽の当たる駅暗き駅
どうやらここは夕暮れの 爺と婆の原宿か
駅を降りたる高齢者 目的寺院は通り越え
広き道幅交差点 降り口向こうに何故付けぬ
バリアフリ−の建前で 一応施設はござるぞと
善意着飾るパフォ−マ− 義務と真心温差有り
老舗和菓子の店見れば 甘さ引き出す逆の味
塩大福の文字を見て 大和歴史の奥深さ
これより歩む参道は 地方の方にはテレビ絵図
紹介までよと出歩きて 影が真下に落ちる刻
ニュ−ス吠えるは熱中症 老人肉体ちと疎い
老婆の日傘もファッションで、汗もにじまぬご老体
今年の死者は幾人か 部屋でミイラも有り難し
これから迎える未来図は 食えぬ住めずの時代なり
顔に大ジワ乳垂れて 背中曲がりて買い物へ
出れる老体フレッシュと 言われる時代がそこに在る

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