神戸と書いて「ごうど」駅 伊賀の里なら「かんべ」なり
読みが違うに戸惑いて 土地名変換開く辞書
駅長スタイル売り子声 駅弁売りかと思いきや
地元農園社長さん 採れたて椎茸安く売る
放射能が降り落ちて 山は汚染のスポット地
椎茸類はご法度を 知ってか知らずか客が寄る
反対ホ−ムに据え置くは 特急けごんが懐かしく
車輌そのまま食堂車 「清流」名の付くレストラン
食券求め席に着く 舞茸セットと缶ビ−ル
天婦羅つまんで一考は 舞茸汚染も有り得ると
川原に下りて丸き石 彼の日の様には飛べぬもの
ふるさとカッパの川遊び 遠き夏日のはしゃぎ声
川面ポツリと落つる雨 小さな波紋の数が増え
滑らぬ様にコケぬ様 童心置き去り戻る駅
ここより向かう渡良瀬の 山の天気は不穏なり
思案すれども店も無く 雲の厚みを見上げたる
無人駅舎の入り口に 傘立て看板目に入りて
通学生徒が塗れぬ様 父兄用意す置きの傘
どなたでもとの言葉添え 甘んじ手にする借り傘に
地域の人の暖か味 健やか育て山の子よ
