都下に吹き下る秋風を 空の高さでそれと知り
萌え落つ山木のいさぎよさ 賛美の旅へと乗る電車
鬼怒川駅より市営バス 乗れば満席盛況は
リュックが座席を占拠する にわかハイカ−年配者
片道2時間弱の路 山奥分け入るうねり路
吊り革無しで立つ路は 生き様ごとくの振られ路
こちらへどうぞとご婦人が 座席のリュックを膝に上げ
体適度にたたみたる 小さなマナ−に返す笑み
これより向かう奥鬼怒は 初めてですのと言う婦人
川治温泉過ぎたれぞ 緑葉耐える窓景色
右手にダム湖が見えまする この先辺りが平家塚
龍の滝に間欠泉 我がにわかのバスガイド
今日はどちらへ参られる 日光澤で一夜取り
明日は皆様連れられて 湿原巡ると目を細め
日光澤もそうなれど 手前八丁加仁湯とも
何処の湯宿も混浴湯 覚悟は決めたと力む腕
バスの終点夫婦渕 我はこの地で失礼と
降りてご婦人見返れば グル−プ前にて自己紹介
ここまで登れば秋景色 ご婦人溶け消ゆ遊歩道
軽い身なりで見送れば 硫黄の臭い川風で来やる
