浅草駅より一本で 乗り換え要らずの温泉地
鬼怒川過ぎてほど近く 川治温泉駅で降る
スイカの文明無き駅舎 現金支払いちと痛し
駅前迷うた数人が 頼りの矢印札見上ぐ
手入れされたり池の渕 ディズニ−ワ−ルド小人達
季節を知りた花が揺れ 駅前他には何も無し
急坂下れば発電所 柵で仕切らる横穴に
カメラ向けるも我れ一人 先にも後にも人が居ず
テニスコ−トも無駄な土地 球の代わりにタマネギを
植えるがいくらか銭を生む 矢印信じる散策路
車出入りす駐車場 人の気配に安堵する
旗が揺れるは薬師の湯 自販機求める入浴券
川に面した混浴湯 脱衣所までも晒し者
それもいいわとフルチンを タオルで隠す愚行せず
先ずは屋根付き岩の湯へ 無色透明サラリの湯
木戸の向こうで噴出か ほど良い広さに伸ばす足
さてさてそれでは名物の 客寄せパンダの露天湯へ
長湯可能な柔らか湯 主役になれば開放感
目の前川原で釣り人が 対岸ホテルの窓が開き
川沿い行き来の遊歩道 斜め見上げて渡る橋
リュック姿の婦人会 口に手を当て指を指す
風呂で裸の人間が 珍しいかとわざと立ち
年金暮しか老夫婦 そこらの宿の浴衣着で
高価なカメラ向けたもう 記念の想い出両手振り
検索すれば薬師の湯 誰もが撮りたる川原風呂
我れがカメラを向けたるは この湯浸かりた者ぞ知るなり
