故郷は遠きに在りて思うもの 親の居ぬ子がラクテンチ
ケーブルカーで見下ろした 幾くすじ昇る湯の煙り
色街生きる産みの母 取り持つ手段の下心
三角窓が付く車 にわか親子で出汁にされ
母の男が変わる度 別府へ向かう車酔い
手な付け手段は安易なり ドライブ急坂硫黄臭
ある日本当の父ちゃんが 母ちゃん婆ちゃん誘い出て
ラクテンチの家族風呂 待たされ坊主が今分かる
時が流れて青年期 バイクの次は暴走車
風呂に行くかの合言葉 鉄輪温泉楽々苑
ひょうたん形の混浴湯 夜の10時で無料なり
タクシー長距離ドライバー ピンサロ送迎バスも着く
別府大学女学生 タダで誘わるオバサンも
混浴風情に異常無し 健全文化に勃起せず
都下に別府の宣伝マン 地方CMウケるのに
小心者なる田舎者 声も掛けずに立つばかり
