2016/11/17
青森駅は幾度目か 去年お宿の送迎車
定刻ギリギリセーフなり 今年は轍踏み空き時間
流行り廃りのラーメン屋 にわかに増えた煮干し味
のれん臭いが浸み込まぬ 開業仕立てを横に過ぎ
魚臭さを鼻で追い 横道平屋の市場見え
アメ横築地は比にならぬ 鮮度に潮の香り在り
何処ぞで見たと記憶糸 和商市場は釧路の地
それを小ぶりに並ぶ店 勝手丼にはのっけ丼
白飯だけをば手に取りて 各店巡りトッピング
いずれ豪華な海鮮丼 お宿の夕食重うなる
ウニにイクラにマグロ漬け 生の魚は食わぬ民
爆買い国の観光団 日本の味覚はワサビ味なり

2016/11/12
我れが生まれる前の事故 洞爺丸を語り継ぐ
記憶留めて函館の 摩周丸では観光者
蝦夷と内地が遠い頃 汽車載す船が頼りなり
夢を乗せたる往路有り 夢に終わった帰路も有り
青森駅から十和田丸 小走り船まで向かう列
寒い土地へと何故向かう 凍える里へと何故帰る
泣きだす前の空模様 鉛の海と対峙して
青空似合わぬ連絡船 展示の姿がそこに在り
時は昭和の影残し リンゴ箱が行き来した
時流細目で見いやいれば 常に「今」が貴きと思う

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