2018/12/10
岡本太郎に ピカソの絵
ムンクの「叫び」 芸術を
名前だけにて 誉めるのは
知ったかぶりの 処世術
前衛舞踏 白塗りの
裸体で示す 意図くめず
柔軟性の 無い脳は
危ない人と 決め付けり
戦国城を 訪ねれば
城内今は 博物館
古文書手紙 立ち止まり
長く続かぬ 分かる振り
書けず読めずの 墨文字も
理解不能な 油絵も
小学生の 作ならば
通知表では どう記する
誰が与えた お墨付き
人の人生 置き換えば
綺麗で無くも それがいい
理解されずも それでいい

2018/12/6
芸能人が 亡くなれば
テレビ報道 時代人
当時の場面 走馬燈
心若き日 蘇る
さてさて今日は 何遺体
むくろ葬儀で 焼かれたか
ニュースにならぬ 旅立ちは
痛い憎いの 未練あり
理想自然死 届かざり
事故に天災 悪意の死
病を運ぶ 救急車
政教撃たる 異教徒者
産声あげて 足で立ち
恋の迷路で 歳を過ぐ
人生「秋」は おめでたし
「冬」を見れずの 人多く
我れが朽ちても 彼死ても
浜辺の波が 尽きぬ様
この世に何が 起きようか
区役所戸籍 消えるのみ
上野下町 裏通り
狭い敷地の 町寺に
観光墓碑に あるまいに
名前残せた 慰霊を参ず

2018/12/4
たまには「恋」を 語ろうか
父が恋しい 母恋し
三才未満 泣きっ面
婆様だけが 肩を抱く
初めて「恋」を 話そうか
ひび割れリンゴ ほっぺの子
園児服にて 頬にチュー
小学校は 学区外
懐かし「恋」を 聞かそうか
ルノアールの絵 生き写し
声変わり時期 ニキビ面
坊主頭の 小心者
多感な「恋」も 教えよう
前行く人の 腰の線
カウンター越し スナックや
フォーク歌詞にも 胸がキュン
トキメキ「恋」は 「昭和」色
「愛」に育つる はずも無く
「鯉」に成れぬの 夜店にて
すくわれるのが 成就と見やる

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