2019/1/31
「今朝」が連なる 年月を
危やの地雷 踏まず過ぎ
「普段」と言う日 置き換える
奇跡なるかや 我の路
「今日」と言う日が 新しく
「昨日」はすでに カビ臭く
「今」しかないが もどかしく
置き去り日々は 懐かしく
「今日」と「明日」との 境界線
「時」で決めるは 天文家
目覚ましベルが 鳴る前に
起きるは身体 習慣病
真冬空気が 凛と来る
背筋伸ばせず 見上げれば
「チャゲ&アス」歌う 名調子
歩く歩幅に 無理をさす
沈む満月 西の空
東に昇る お日様と
見送り月に 迎え陽が
今日も背中押す 通勤時

2019/1/21
あすなろ君の 描く夢は
港区億ション スーパーカー
相愛娘 嫁に取り
部屋の窓から 見るタワー
夢追い人の 未来図は
一姫二太郎 家族持ち
二年に一度 海外へ
ゴルフ株式 ジム通い
夢待ち人に なる頃は
一発逆転 宝くじ
タイムセールの スーパーへ
ビール買えずに 発泡酒
「未来」「将来」 置き換えば
「老後」と呼ぶに 他意も無し
先細りなる 我が道を
揶揄するタワー 色気付き

2019/1/18
桜咲くより 散るを誉め
課題残した 卒業生
新入社員は 怖気付き
うなだる机 臥せる春
九月一日 大震災
玉音放送 昼の蝉
御巣鷹山に 鶴が落ち
人の心が 凍る夏
萌える山肌 グラデーション
バスが上るは 九十九折
つるべ落としの 日も暮れて
秘湯で感ず 辛い秋
街の音色に せかされて
白い息吐く 雑踏へ
お祭り騒ぎ 除夜の鐘
歳を取ったと 悔いる冬

2019/1/10
住み家浅草 花川戸
浅草寺屋根 見ゆるとこ
下町風情 言うけれど
都心建物 高く伸び
アフターファイブ 地元衆が
寄り集まるは 「山之宿」
居酒屋レベル 毛を足して
料亭までは 毛が足りぬ
初夏を迎えて お囃子音
隣り自治区の 集会所
三社に向けて 子供等の
笛と太鼓を 肴とす
「昭和」も初期の 佇まい
ビルとマンション 挟まれて
窓開く客を 垣根越し
刺身のネタも 見ゆる距離
古き時代絵 また消ゆる
解体作業 産廃車
たかが木造 日も要らず
小型重機が 想いをも絶つ

2019/1/3
首を横には 振らないが
縦に頷く もどかしさ
手の平添えて まぁまぁと
丸く治める 知恵の術
趣味でもめ事 起こす人
話しを聞けば 理も通る
喧嘩相手の 言い草も
立場変われば 正義なり
つまづく小石 文句言い
風が寒いと ツバを吐き
握りこぶしで 構えるは
鏡映せぬ 湖心の魔
ジャッジ審判 倫理観
聖書読み解く 仏教者
六法全書 枕とす
聖人君子 罠に落つ
自国ファースト 言うお国
連れ従うが 我がお国
何を守りて 何を捨つ
自衛で神理 ゆがめられ
上げるゲンコが 正義なら
他への暴力 魔の仕業
たった一人の 心根が
歪む歴史を 繰り返す

2019/1/2
泣きっ面には 蜂が寄り
しかめっ面では 福も来ず
心に形 無きけれど
目元口元 人は読む
そりが合わない 人が居る
身近関係 ちと辛い
釈迦のごとくに アドバイス
人間嫌いの 辻説法
小鼻膨らみ 眉間ジワ
目尻上がれば 赤耳に
言いたい事が 言える人
思った事が 言えぬ人
悪意の毒を 吐くお方
阿修羅ごときの 形相で
スモールワールド 地獄編
人付き合いは 難儀なり
汝の敵を 愛せよと
艱難辛苦 始祖が言う
宇宙即我 覚醒者
天から垂らす 蜘蛛の糸
受け入れ許し 理解して
出された毒気 頂かず
「慈悲」と「愛」とで 包み込む
作戦通り 事行かず
忍辱化粧 繕いて
対人関係 下手から
仏の顔は 何度まで
仏の顔は 何度でも

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