2020/6/21
半袖シャツに 半ズボン
みごと区切りの 日焼け痕
赤い背中は 皮が剥け
風呂屋脱衣所 大鏡
遊びの続き 銭湯で
マブチモーター 船浮かべ
どうした事か 潜水艦
湯底の船を 足で捕る
エメロンこの世 出る前は
ちょいと贅沢 粉シャンプー
妹連れた 同級生
泡の頭を 追いかけり
男女を 分く壁は
アクリル板の 広告塔
見上げて富士と 浜の松
帆を張る舟に 浪花節
上がり湯ならぬ 上がり水
出れば天井 扇風機
10円入れる ドライヤー
爺さん唸る あんま椅子
汗と垢とを 落とす場所
思い出桶に 汲み取れば
老いた心が 写し浮く
身に染み付きた 汚れが痒し

2020/6/18
つい昨日まで 知らぬ方
ネット世界は 距離置かず
我が故郷を アップする
ブログ縁にて 幼子へ
あの街並みの 裏通り
投稿写真 思い出を
重ね合わせば 吹く風も
昭和の香り 園児服
「へのへのもへじ」 道に描く
お子の横では ゴム飛びを
提灯ズロース 大股で
秘儀を使うは 姉ご肌
駄菓子屋クジが 当たらずで
いつももらうは ガムボール
銀玉鉄砲 弾補給
秘密基地へと 駆けて行く
メンコと言わず パッチンは
野球選手に 武将の絵
丸に四角に 分厚さも
勝負の要 足も掛け
手作りゴマは 喧嘩ゴマ
今の親なら 許可はせぬ
ヤスリで研いだ 剣を刺す
上手のガキに コマ割られ
馬飛びもはや 格闘技
遠慮を入れぬ 尻で落つ
背の板塀の きしむ音
小便臭い 半ズボン
ベタにビー玉 鬼ごっこ
子守りで来たる 幼子に
「すぼんこ」大目に みるルール
地域子供が 子を育て
帰りたくとも 帰らぬは
歪んだ意地が 遠くさす
戻りたくとも 戻れぬは
彼の日の自分に 恥ずる故

2020/6/11
愛が欲しいと 言う方へ
あなたの愛は 何処にある
愛をもらうは 消費者で
愛を造らぬ 依頼人
恋は誰しも 通る道
人の好みは それぞれに
動く心は 自然界
縁(えにし)の糸は 鳥も知る
不幸愚痴など 口に出る
例え心の 声なれど
幸を語らぬ 面々に
感謝の文字が 見付からず
今は幸せ 言う人の
過去は苦難の 不幸せ
今後人生 どう動く
右肩下がり 峠道
幸せだった 後で知る
思い出の中 宝物
そこに落ち着く こと出来ず
人の進歩の カリキュラム
人に幸せ もたす人
人を笑顔に させる人
消費者違う 製造者
常に与える 側を望みつ

2020/6/4
片手間仕事 甘く受け
片手落ちだと 責められて
片手の銭は いくらかな?
両手を出せば 叩かれる
昭和乙女の 片手には
スマイルバック 肘に掛け
先行く彼の シャツ裾を
しっかり握る 空き手有り
ヘビ皮バック 時は過ぎ
ブランドバッグ 一様に
それでも彼の 腕元に
すがり付くかの 片手網
手間取る男女 若い衆へ
恋愛レクチャー 基本形
二人で歩く ダメ出しは
互いに片手 スマホ持ち
片手心は 余裕なり
視野を広げて 見ゆ景色
四角(視覚)ばりたる 行政の
トンチンカンに 片手差出し

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