5年前に出会ったにゃんこの話です
当時私は、独身で一人暮らしをしてました
近所は散歩道が多々あって、野良猫ちゃんも大勢いたものですから
かつおぶしなどを持って、よく散歩してました
春の時期は、捨て猫や野良猫の赤ちゃんを目にすることもあります
あまりに可愛いその子達を
連れて帰りたい衝動に駆られることもしばしばですが
ペット不可のアパートに住んでいた私は
泣く泣くその場を離れることしかできませんでした
その日も普段と同じように散歩をしていました
ある不動産の前を通ると、入口に子猫が一匹います
声をかけると
「ニャ〜」
か細い声で返事をするとても愛想のいい子です
近くに寄ると、子猫も寄ってきました
か、かわいい・・・
でもちょっと様子が変です
まずとても変な臭いがしました
あごの骨が外れているような、勝手の悪いような感じで
あげたかつおぶしを食べようとするのに
なかなか食べることができません
そしてすごく痩せていました・・・
『病院』、頭に浮かびましたが
首輪をしていたので
飼い主に無断で勝手なことをしてはいけないと思い
ゴロゴロとノドも鳴らしていたので
大丈夫だろうとその場を離れました
でも、夜になってもあの子猫のことが頭から離れません
首輪をしていたけどあんなにやせ細ってるなら
迷い猫かもしれない・・・
決心してさっき見かけたあの場所へ行ってみることにしました
子猫はいません
「よかった、飼い主がいたんだ・・・」
そう思いながらもなぜか胸騒ぎが消えません
近くに駐車場があったので
そこに停めてある車の下を探していきました
すると、いたのです!
縮こまって自力で這い出ることも出来ない、あの子猫が!
だっこして連れ帰りました

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