みるみるうちに空を覆う真っ黒な雲。
まだ6時過ぎだというのに練馬の街はまるで夜のようだ
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ポツポツ
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雨の粒が一つ二つと落ちてくる
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ポツポツポツ
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雨の粒は5、10、20、40・・・・と倍々に増え、やがて僕と街を飲み込んだ
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自転車の僕は雨の中。一人ぼっちの僕にはお似合いかもね
びしょ濡れで惨めな姿が僕にはお似合いかもね
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ペダルを踏む足は止めない、雨に濡れても平気だから、これでいいんだと思ったから
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もうすぐ家に着く。暖かいシャワーも乾いた服やタオルがある、それでいいじゃん。そう思った。
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家の斜め前の木の下で、大きな荷物で傘をさして自転車に乗れず、雨宿りしてる女の子。
俺は迷わず・・・・いや、too shy shy boyなので、3秒悩んで声をかけた。
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「ブラ白ですね、スケスケですよ。」
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・・・・いや違う。
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「雨宿りならうちの軒先どうぞ♪」
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「大丈夫です」と彼女は答えたが、どう考えても大丈夫ではない。
荷物はよく見ると楽器、湿気は大敵である。
タオルを貸し、歩いて帰れる距離だと言うので、自転車を預かる事にした。
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雨が止んで
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自転車を取りに来たのはお母さん!!!!
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・・・・わかる?何となく、俺の叫び。

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