何時もの通勤電車、相変わらずの満員電車
大抵の人がそうであるように、俺はサラリーマンで住宅街に住み、オフィス街に通勤する。
毎日毎日毎日・・・・六十何歳になるまで満員電車に乗り続けるのだろう
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「これでいいのか?」
自分に疑問を投げかけるが、明確な答えを見つけるには至らない
・・・・平均的、普通、一般的な生き方は一番リスクが少ないからだ、そこから脱け出すには相当な覚悟が必要である
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結局、俺もぬるま湯の中で普通に生きてるんだな
・・・・熱くも冷たくもないぬるま湯に
酒とロックとバイク、それさえあれば幸せだった俺の大学時代を思い出す。
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あの頃の俺とは何かが違う
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酒は勿論
ギブソンフライングVも
GSX-R750も今でも全て手元にある
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が、何かが足りない。
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何処かで何かをなくしたのだろうか?
年齢を重ねるということはこういう事なのだろうか?
そして「普通」という事が良いことなのか、悪い事なのかは分からない
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やがて電車を降り、会社に着いた
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事務所のドアを開けるとモアッとしたぬるい空気に包まれる
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エアコンは静かに動いている
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設定温度、22℃
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暖房
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暖房・・22℃・・・暖房・・・何だかなぁ〜
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うちの会社は少し普通ではない気がした。
十中八九、受話器を握りしめて電卓のボタンでダイヤルする永遠の不思議っ子、専務(66歳)の仕業と思われる。

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