4/1から新年度である。新入生が入学して来る。
部活動においても、新歓活動が活発化する。スクールバンドにおいては、
実はこの時期になって新歓の作戦を考えるのでは既に、遅いのである。
だって、小学校の児童が行く中学校は、ほぼ決まっているのだから昨年
から何らかの方法で、中学校は地域の小学生達に入部の働き掛けをして
おかねばならないのだ!
まあ、それは置いておいて、新入部員獲得作戦に関して、私が重要であ
ると考えている内容は、
1、新入生の名簿を持っているか?
在校生の誰が新入生の誰に当たるか、具体的でなければダメだ!
2、勧誘の責任者と、それに関わるスタッフを決めているか?
新入部員獲得に関して、責任の所在を明確にしなければ! その責
任者は、部長や副部長等ではなく、むしろ部活に消極的な人を、私だ
ったら抜擢する。何故なら、後輩達に勧める時、部の良い面を訴えな
ければならない。消極的な人が嫌でも、そう言う事によって、その人
自身の部への関わり方が変わるはずだからだ。
3、新入部員獲得の目標人数を設定しているか?
学年総数の10%が、最低限の数だ。新入生が200人なら20人が目標
だ。その前に、次の4が重要だ。
4、その為には、各パートの必要人数を確認しているか?
各パートの必要人数を各パートに任せっ切りにしていないか? パー
ト間で、つまらない新入生の分捕り合戦をしていないか?
5、部活を覗きに来た新入生をデジカメでパチリ!
新天地で不安感を一杯、持っている新入生が勇気を持って吹奏楽部を
覗きに来てくれたのだから、「貴方を大事にします」という意思表示と
して、デジカメで撮って名前とクラス、愛称等を書き入れて部室に貼っ
ておく。その事により在校生は新入生を知り声を掛け易く、新入生は自
分が「そこに居る」という安心感を抱く事が出来る。
その際、複数で来た新入生を個別に分断し、一瞬、不安に陥らせ事が
肝要である。一瞬の不安感を抱かせたり安堵感を感じたりしてもらう。
これはまるで、「お化け屋敷」の手法である。
6、入部の意思をその都度、公表する
これは学校によっては不可能な点であるかも知れないが(入部の時期
が学校によって決められている場合)、5で撮った写真に、本人の意思
で「吹奏楽部に入部します」という意思が書ける余白を空けておく。そ
して、そのカキコに在校生も歓迎のカキコをする。こうして、新入生の
帰属意識を高めていく。
7、希望楽器は、第7〜8希望まで
吹奏楽には、大まかに12種類の楽器(Fl.,Ob.,Cl.,Sax.,Fg.,Tp.,Hr.,
Tb.,Euph.,Tuba,S.B.,Per.)が存在する。それらの全てを書かせると希
望を取る意味がなくなるので、せめて7〜8種類位の希望楽器を書かせ
ておく。これには2つの理由がある。1つは、希望通りに行かない事の
条件をあらかじめ設定しておく。2つは、吹奏楽における楽器名を覚え
てもらう為である。
「4、その為には、各パートの必要人数を確認しているか?」に関して、
これは極めて重要である。例えば次の様なバンドの場合。
Fl.3、Ob.1、Cl.6、Sax.3、B.Cl.1、Fg.1 →wood 15人
Tp.5、Hr.4、Tb.4、Euph.2、Tuba1、 →brass 16人
S.B.1、Per.3 T.35人
新部員の各パート別人数は?
Fl.0〜1、Ob.1、Cl.2、Sax.1、B.Cl.1、Fg.1 →6〜7人
Tp.1、Hr.1、Tb.1、Euph.1、Tuba2 →6人
S.B.1、Per.1〜2 T.15〜16人
上記の人数は、新入生の総数によって変わってくる。それと、単に人数合
わせだけの問題ではない。パート内の各学年の人数配分にもよる。だから
一概には言えないが、概略、上記の様に各楽器別の希望人数を設定する事
が出来る。奏者の志望と吹奏楽の編成を整える事は、永遠の矛盾関係にあ
る。最大の懸案事項である。でも、吹奏楽がより良いサウンドを目指そう
と思えば、まずは編成を整える事である!

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