本ではなくてJ☆L機内誌の記事で面白いエッセイを書いていた。この人の文章は「唯脳論」以来のファンであったが、例のモンスターセラー「バカの壁」を読んだときに「ううん、ちょっと面白くないんでないの、養老センセにしては、、、」と思って以来、とんとご無沙汰であったが、久々にヒット。
エッセイの趣旨は乱暴に言うと:
=音楽の世界は「オタク」になりやすく、凝り性の筆者はできるだけはまらないよう気をつけている。他で手一杯だから。
=自分は典型的理系の人間だから、当然音楽がもうひとつ苦手なのかと言うとそんなことはない。そればかりか実は理系の脳と音楽系の脳は重なり合う部分が多い。数学の才能と音楽系の才能は「脳から見れば」同じジャンルに属する。
=音楽には「フォーム」があり、その「美しさ」は耳から入ってきて聞く人の感情に訴える。脳にとっては「耳から入る情報」を処理するのと(数学を極致とする)論理性とは同じものである。
=なぜならば、例として3分の曲は鑑賞するのに3分と言う時間がどうしても必要だ。「時間を追って」情報を処理することは、時間の中である一定の「順を追って」つめていく論理性と同質なのである。
=これは「目から入る」情報との違いを考えると理解しやすい。例えば大きな絵画をぱっと見たときに、順に端から端へ見ているのではなく、一瞬にある印象を得ている。視覚は同時並行情報処理で音楽や数学のような「時間性」を持っていない。
このエッセイを読んだときにバンパBイトヲ教授の顔がパッと浮かんだ。彼は以前「バンパイアの曲って『理数系』的ですよねえ」と喝破したことがある。もちろん上記養老センセの論旨以外にコード進行やベース・ギターの運指が「シンメトリー」を偏執的に求めている、という別の理由もあるのだが、、、というわけで「理系」は結構音楽(特に作曲?)に向いている、という話でした。こじつけっぽくてゴメン(苦笑)

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