今日は恥を忍んで、僕の今現在の(経済的)実情を書きます。内容を読んだ皆さんがドン引きして、もうワダとは友人で居られない、とか、もうVAMPIRE!のライブなど観に行く気がしなくなった、ということになっても仕方がないですし、そうなるのも全て自分の責任ですから、止むを得ないと思います。今、その覚悟で書いていることは解っていただきたいと思います。
小生は転勤先の東京の新しい職務が合わなくてメンタルな病気にかかり、06年には会社を休職していました。休職して東京から京都に転居したのは、妙に京都が落ち着いたからです。京都に来れば病気が治るような気がしたのです。その我儘を通した結果、その時の前の連れ合いとは(家裁調停で)協議離婚しました。そのころ今の連れ合いと京都で出会いました。
京都へ転居してからは、ツレのサポートもあって病気は良い方向に向かい「復職できるかも?」という感触をつかんだのですが、ちょうどその冬ころにプツリと彼女に逢えなくなりました。(その時期には彼女のほうが彼女なりの理由で精神的に弱っていて、僕に逢っているどころではなかったのです。)
早く良くなって復職したいという焦りと一番逢いたい人に逢えないことのストレスで、僕は異常な行動に逃避しました。いわゆる「ネット買い物依存症」です。○フー・オークション、楽○市場のショップに始まり、果てはアメリカのオークション・サイト(e-Bay)まで手を出せるネットの買い物には、ほぼ全て手を出したと言っても過言ではありません。
買ったものは多種多様ですが、楽器関係の金額が大きかったです。このブログでもログが残っているので、その一端を遡って知ることができますが、
=ギター(主にビザールなもの。否、欲しいと思ったら何でも手を出していた。)
=エフェクター(新作はほぼ網羅。珍しい品は必ずゲット。自作をオークションに出している人のも競り落としました。)
=シンセ類(鍵盤が上手なわけでは無いので、シーケンサー付属かノイズメーカー的なモジュール)
=発振器(音程は出せないノイズメーカー or オシレーター)
=改造楽器(サーキットベンディング改造、というジャンルがあることを知りました。詳しくはググってください。すみません。)
こう書くと金額的には知れてるのではないの?と思われるかもしれませんが、とにかく物量が半端なかったのです。
で、その他にも
=有料サイトへアクセスするための月額料金
=洋服(特にTシャツはコレクター的な買い集め方)
=くつ、かばん類、なども
どんどんカード決済で買って行くのですから、休職中でも給与の7割が出ていたとはいえ、貯金は使い果たし、持っていたカード7〜8枚はほとんどがリボ払い限度額一杯まで、という状態で、典型的
買い物依存 → 多重債務者
の道をたどってしまったのです。今思うと情けない限りですが、買っている時は正直自覚がありませんでした。
「いや、自覚がないってどういうこと?!」というツッコミが入るところだと思いますが、カード決済でクリックひとつで買い物が完了してしまうネット買い物依存、というのはそういうものです(人事のように言っていますが、今になって振り返って分かる実感、と云えば伝わるでしょうか?)。
月々のリボ払い総額も[収入−家賃]とイーブン(つまり重ねて借金しないと毎日のゴハンが食べれない状態)になっていて、銀行系、信販系のカードだけだったので良かったものの、このままいけば、消費者金融→街金など高利貸し、という破滅へまっしぐらというコースだったのです。ところで(驚かないでいただきたいのですが)この段階(08春)でも、僕は「なんとかなる」と思っていました。理由は借金が増えて行っている自覚は何となくあったものの、月々の支払い総額がいくらで、総負債がいくらであるか具体的に把握していないからです(というか把握する気がおこらない、というのが正しいです)。
負債の大きさを正確に把握できておらず、まあ月々苦しいけど復職したら給料も元に戻るしなんとかなる、程度の甘い意識でいた僕は今のツレに「もうすぐ復職するので、その時結婚して!」とプロポーズしました。幸いその場で彼女からOKの返事をもらった僕は、その時点でもまだ「復職さえしたらなんとかなる」と思っていたのです。(驚くべき無神経!)
復職・結婚したら新居に二人で入居してその家賃がいくらまでなら、光熱費入れて月々の生活費は・・・という算段をはじめる段階になって、さすがに「これはヤバイのでは」と気付き、彼女に「実は借金があって…」と遅ればせながら打ち明けたのですが、僕はこの時点での負債総額の見積りも甘く甘く行なっていたのです。(カードが多すぎて計算しきれていないので、希望的観測で数字を言う。)
結果「この間は○○○万円といったけど、よく計算してみたら実は△△△万円だった」という言い訳を彼女にすることになってしまい、僕に対する信頼は失墜、のみならず彼女には根強い人間不信を植えつけてしまうこととなりました。そうです、僕は最低の卑怯者です。
それでも彼女は新居の物件探し、引越し、部屋の家具配置、汚れた家具・器具の清掃等々と献身的な努力を惜しまず、なんとか二人で再スタートを切ろうということで頑張ってくれました。月々の生活費の足りない部分は彼女の仕事の収入および僕が買いだめた品物を(高く売れそうなものから)オークションに出品して足しにする、のようなことでギリギリやっていたのですが、そんなギリギリのなか一所懸命やっているツレに対する僕の感謝と配慮が足りず、彼女から申し出があり協議の上、離婚することにしました。彼女は僕に対する不信感が拭い去れず、借金を伏せたまま婚約した裏切り行為を許せなかったのだと思います。
京都のマンションは引き払い、勤務先に近い大阪(東淀川区)に引っ越したのですが、それまで二人で暮らしていただけに孤独感が募り、愚かにも非常に愚かにもまたもや買い物クリック中毒に走ってしまったのです。結婚していた期間にサポートしてもらってなんとか減らした負債も逆戻り、毎月食費がカツカツと分かっていてもネットの買い物をついしてしまう。「依存症」とは良く言ったものですが、この言葉「病気でした」という言い訳のために今使っているのではなくて、皆さんに理解できない無軌道な買い物をオートマチックにしてしまう状態にひとはなることがある、それを僕は今心底恥じている、ということを解っていただきたかったのです。
このような買い物依存やその他の代替行為に走って何とか忘れようとしても、僕は彼女のことを忘れることができませんでした。しばらくしてその後、彼女は優しくもそして寛大にも僕のことを許してくれて、去年の3月に再入籍することができました。
多重債務はなんとか一元化してこつこつと返済しています。しかし、昨今このご時世ですから、休職明けの僕の給与は休職前の水準に戻ることはなく、管理職の最低保証額しかもらえていないので、月々の生活費は決して楽ではありません。しかし、ツレの実家の祖父が農家を営んでいるため、義母がいつも旬の新鮮な野菜をクール宅急便で送ってくれるので、食費は大助かりです。日々感謝感謝です。
僕は(数があまり多くない当ブログ読者は御存知かと思いますが)某国立大大学院博士課程修了ですので、世に言う「高学歴・高収入」と思われていることが多いでしょうが、これまで長々と書いてきた私の愚行により、高収入はふいにしてしまいました。流石にもう買い物に「依存」することは無くなりましたが、してしまった過ちは取り返すことができません。
彼女が僕のことを許してくれたのは、彼女が学歴・収入などに人間としての付加価値を見出すような人ではなく、人の事を多面的にみる人だったからです。愚かな行いをした僕をありのままに受け入れてくれたことが僕にとっての救いになり、僕も穏やかに暮らせるようになりました。幸せなことだと感謝しています。
僕の愚行でで一番辛い思いをさせたのは、もちろん連れ合いです。人間不信まで植えつけてしまったのですから、償いきれるものではありません。彼女は仕事もこなし今の二人の生活をサポートしてくれています。忙しい合間にお弁当を準備してくれて、梅田勤務の僕の昼食代を節約することもできています。もちろん彼女に対しては日々ただ感謝感謝です。
彼女は華やかな印象を持たれて、日々好き勝手しているように見られがちですが、だとしたらそれはとんでもない誤解です。華やかそうでいて、その実は仕事、二人の生活の維持(家事全般)、小説の執筆(彼女のライフワークです)、全てに日々全力投球で頑張っています。そんな姿をみると頭が下がりますし、僕も毎日頑張って働かなければ、という気持ちになります。
派手に見える彼女の服装も、実は安く手に入れた古着などを活用しており、所謂モードにもファッション雑誌にも影響されず、自分なりのファッションを楽しんでいるので、僕はそのことを非常に好ましく思っています。
これまで何度も彼女の笑顔に救われてきました。これからは僕が彼女を支える番です。彼女のためにできることはなんでもしようと思います。
今日の長文は感謝と決意を示すことと、(多くの皆さんには釈迦に説法でしょうが)ネットショッピング=ワンクリックで買い物完了、の快楽にはまってしまうと、必ず高いつけが回ってくることを僕の愚かな実例で示したかったのです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。皆さんの叱責のコメントは謹んでお受けしますので…

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