チョコレート王国=ベルギーに2年半住んでいたもので、逆に帰国後チョコレートを食べなくなった私です。誰が一粒300円のゴディバなんか買うか!ちゅうの。ゴディバはリカーの入れすぎでカカオの風味が損なわれている、値段だけはバカ高い、ということで本国では至って評判が悪い。REONIDASはもう少しお安めな大衆的な店で、かつ本格的な味なのでお勧めできるが、それでも日本では高いなあ。
チョコレート関連の世間の喧騒もひと段落着いたので、読書などしていると「チョコレートは健康に良い?」という一章を
『やっぱり美味しいものが好き』ジェフリー・スタインガーテン著・文春文庫、で発見。著者は(私に言わせると、平均してドイツ人の次に味覚が鈍い)アメリカ人であるが、なかなかに美味しいものへの執着心が尋常でないナイスガイの模様。
その記述によると、チョコレートの成分は砂糖、カフェイン、ミネラル、飽和脂肪、テオブロミン、ポリフェノール、フェニルエチルアミン、アナンダミド、なんだそうである。このうちテオブロミンはカカオ豆に固有(カカオ豆から初めて発見された)化学物質で、カフェインに似た作用を持つそうである。著者の結論は、どの成分も微量過ぎて、その成分ゆえにチョコレートが体に良い、という科学的証明には残念ながら不十分、ということである。
僕にとって面白かったのは、フェニルエチルアミンとアナンダミドで、これらは完全に「ドラッグ」といってもよく、前者はアンフェタミンと似た興奮剤、後者はマリファナににた作用を持つ物質なんだそうな。ここから「チョコレート・トリップしようぜ!」とか云うと、「味噌汁はドラッグだ」という某バンドの某フロントマン(苦笑)と同様の言説になるので、理科系の権化のような私はそういうことはしません。
で、何が一番面白かったかと言うとフェニルエチルアミンやアンフェタミンによってもたらされる精神活性効果は
恋をした時に生まれる感覚に似ている(最近国内で摘発が増えているエクスタシー=MDMAの作用とも似ている)らしい。ここが肝心なところなのだが、
だからバレンタイン・デーにチョコレートを贈るとアメリカ人の作者が書いている。
私は「チョコを贈る風習は日本だけで、チョコレート業界の陰謀」と思い込んでいたが、実はそういうわけでもなくて、割りとポピュラーな聖バレンタインデーの贈り物としてアメリカでもチョコレートが選ばれている、ということが解りました。実際に「恋をしたときの感覚」がチョコを食べたときに生まれるかどうかは別として・・・
ところでこのフェニルエチルアミンの含有量はチョコよりもサラミ・ソーセージのほうがずっと多いんですと。来年は2/14にサラミを贈ってはいかが・・・僕はどちらも好物ですから大歓迎。

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