小寒となり 芹栄う候となりました。
甚大な雪の被害の地方もありたいへんなお正月でしたが松の内もあと一日となりました。
本年の計画もまだたたないSAKURAですがだんだん自転車操業になってきた弊害もあり今年は少しペースをゆるやかにしたいと思っています。お目だるいことが多いと思いますが引き続きよろしくお願いいたします。
この画像は以前からお話していました
定家文庫です。
定家文庫の事は『銀花』で見たのが始めでしょうか、その美しさに心魅かれました。検索しても数少なく八代の美術館にあるのが分かり『彩発見−よみがえる江戸の装い』のカタログを頂いたのが10年前になります。
徳川美術館にもあるのではと思い聞き合わせましたが収蔵品にはないそうで不思議でした。
昨年春東博で展示があったのですが後で知りましたので見逃してしまい残念でした。
SAKURAでは6年前に書いていますが画像を載せるのは初めてです。
定家文庫は高貴な方の化粧道具を入れるもので写真のような箱型と袋型がありますが、どちらもこう呼ぶようです。
箱型のものは桐箱に裂が貼られて大きめで、上部が折り畳まれているのが特徴です。側面に斜めの溝が付いていて中板を指しこむと鏡が立てられます。
袋型のものは角だけに綺麗に襞がとられて筥迫くらいの小ぶりなものが多いようです。
どちらも房付の紐が付いて女性の持ち物らしい華やかさがあります。
時代祭りの行列で和宮様のお道具としてお供が持っている写真を見つけましたがそれには
定家筐とありました。
袋型のものは信玄袋のように女性の手提げに発展するようで今でも舞子さんが持つ手提袋を定家文庫と呼ぶこともあるようです。
古い(明治)袋物の作り方の本には箱型のものを小ぶりにして琴爪入れとして作り方が載っていましたので筥迫などと同じように手作りされていたのでしょう。
定家文庫はずっと前から憧れて作りたいと思い一昨年の花兆会に上の写真のものを作りましたが化粧道具入れとしてではなく香包を入れる箱としてその形状だけをうつしました。

追加写真


菊結びが大きくて折り込んだ様子が分かりませんでしたので開いた写真を撮りました。左右の布が仕舞った後下上の布を被せます。中には別に盛り上がった蓋があり布を被せた時にふんわりした柔らかい線が出ます。