旅に持って出る本は厳選する。
海外だから旅先で購入できないし、
あまり重くてもいけないからだ。
14年前の旅をたどる、というおセンチな思いつきから
どうやらその思いつきが現実になりつつある。
14年前はというと、東山魁夷『森と湖と』、
リチャード・バック『イリュージョン』、
佐藤さとる『そこなし森の話』をチョイスして、
旅の間じゅう、何度も読み返した。
思えば、未知の国に憧れ、
その憧れの発端となった児童文学と、
自分の人生と旅を照らし合わせ前に向かって生きようと励ましてくれる3冊は、若者らしいチョイスだ。
今度の旅では、整理をしたい過去の出来事や想いもあるし、
次のステージに行くための思索の時間にもしたい。
ふと、『海辺のカフカ』(村上春樹)を持っていこうと思った。
4年前に発表された時点ですぐさま読んだが、
読み返すにはちょうどいい頃合かもしれない。
内容的にも今の私にしっくりくる。
旅、15歳、家族、親、兄弟、恋、
「ナカタさん」「大島さん」「星野さん」ら個性的な登場人物から
思う色々など、もう4年たっているから、
話の輪郭しか覚えていないが、それもちょうどいい。
ありきたりの選択だが、2冊(上下)は決まった。
車窓を眺めながらの読書。楽しみだ。

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