2006/1/24
ライブドア王国崩壊か?…ゲーテの「ファウスト」との共通点…1 株式
昨夜(23日)から、各TV局、新聞各社(一部地区では、昨夜号外も出たらしい)が報じるライブドア、取締役(元)社長の堀江氏を含む4人の取締役の逮捕劇。警察特捜部の発表によると堀江氏は、子会社「ライブドアマーケティング」の株価をつり上げ、多額の売却益を得る目的で、2004年10月、既に実質支配する投資ファンドが出版会社「マネーライフ」を買収していたにもかかわらず、買収による相乗効果があるかのように虚偽の買収計画を発表した。更に同年11月、マーケティング社が赤字だったにも関らず、架空の売り上げを計上させ、黒字に粉飾した決算短信を公表した。…このような容疑が持たれている。

フジTVは既に契約解除と保有株を売却する決定し、更にライブドアを控訴する準備をしているようだ。そしてライブドアと提携している不動産販売・開発会社のダイナシティや、出版の幻冬舎等も、提携解消を検討している事を明らかにした。インターネット等で調べると、米誌ワシントンポストは、『日本で起きた最大の金融不祥事の一つ』と位置づけ、ニューヨークタイムズは、『皆が走っている高速道路で、その路肩を走り抜けたやり口』とその経営法を批判し、結局は『路肩から泥地に落ちた』と報じた。また、イギリスのファイナンシャルタイムズでは、『貧乏から金持ちになった(堀江社長の)物語は、多くの起業家に希望を与えたようだが、結局は神話だった』と論じていた。(一部、日本経済新聞引用)
ライブドアが本社を構える六本木ヒルズの森タワー。
このように、日本経済界をも揺るがした堀江氏であるが、朝から新聞各紙を読み比べながら、堀江氏を連想していると、私の中に、思い浮かんだ一つの物語があった。それは18世紀から19世紀初頭にかけ、ドイツの戯曲作家であって、小説家・科学者・哲学者でもあり、そして政治家としても活躍したゲーテが、58年の歳月を掛けて書き下ろした戯曲、「ファウスト」の主人公、ヨハン・ファウストという人物の物語だった。私は高校の時、夏休みに、従姉から半強制的にその本を読まされた。かなりの長編なので途中で嫌になるかな…と自分では思っていたが、原作が傑作だったのか、森鴎外氏の訳が良かったのか、双方揃い踏みだったのか、当時の私には解らなかったが、面白くて夢中で読み進んだ。

その主人公「ファウスト」像としては、16世紀、ドイツに実在したと言われる同名の学者を描いていた。医師の資格を持ち、占星術を用い、錬金術師とも詐欺師とも言われた。読んでいるうちに、ノンフィクションを匂わせて、フィクションの部分も含むのでは?と感じたのは、ファウストが、悪魔と契約して魔術を操り、詐欺行為を繰り返したという内容だった。しかし残されている史実に基づくと、当時は、魔女狩りの全盛期であり、新旧両キリスト教は双方ともに「悪い魔法使いの実例」を探していた時代であったのだ。このファウストの同郷で、彼の事を「うさん臭い」…と思っていたルターは「ファウストは、悪魔と義兄弟の約束をしたのだ(悪魔との契約した)」と言って彼の悪評を流したという記録も残っている。ゆえに、史実と神話的ロマンを織り込んだ戯曲「ファウスト」は、ゲーテが書いた「戯曲の最高傑作」とも言われ、その物語は演劇にとどまらず、オペラから人形劇に至るまで脚本化され、後世に受け継がれて、現在に至っている所以だと感じている。
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フジTVは既に契約解除と保有株を売却する決定し、更にライブドアを控訴する準備をしているようだ。そしてライブドアと提携している不動産販売・開発会社のダイナシティや、出版の幻冬舎等も、提携解消を検討している事を明らかにした。インターネット等で調べると、米誌ワシントンポストは、『日本で起きた最大の金融不祥事の一つ』と位置づけ、ニューヨークタイムズは、『皆が走っている高速道路で、その路肩を走り抜けたやり口』とその経営法を批判し、結局は『路肩から泥地に落ちた』と報じた。また、イギリスのファイナンシャルタイムズでは、『貧乏から金持ちになった(堀江社長の)物語は、多くの起業家に希望を与えたようだが、結局は神話だった』と論じていた。(一部、日本経済新聞引用)

このように、日本経済界をも揺るがした堀江氏であるが、朝から新聞各紙を読み比べながら、堀江氏を連想していると、私の中に、思い浮かんだ一つの物語があった。それは18世紀から19世紀初頭にかけ、ドイツの戯曲作家であって、小説家・科学者・哲学者でもあり、そして政治家としても活躍したゲーテが、58年の歳月を掛けて書き下ろした戯曲、「ファウスト」の主人公、ヨハン・ファウストという人物の物語だった。私は高校の時、夏休みに、従姉から半強制的にその本を読まされた。かなりの長編なので途中で嫌になるかな…と自分では思っていたが、原作が傑作だったのか、森鴎外氏の訳が良かったのか、双方揃い踏みだったのか、当時の私には解らなかったが、面白くて夢中で読み進んだ。

その主人公「ファウスト」像としては、16世紀、ドイツに実在したと言われる同名の学者を描いていた。医師の資格を持ち、占星術を用い、錬金術師とも詐欺師とも言われた。読んでいるうちに、ノンフィクションを匂わせて、フィクションの部分も含むのでは?と感じたのは、ファウストが、悪魔と契約して魔術を操り、詐欺行為を繰り返したという内容だった。しかし残されている史実に基づくと、当時は、魔女狩りの全盛期であり、新旧両キリスト教は双方ともに「悪い魔法使いの実例」を探していた時代であったのだ。このファウストの同郷で、彼の事を「うさん臭い」…と思っていたルターは「ファウストは、悪魔と義兄弟の約束をしたのだ(悪魔との契約した)」と言って彼の悪評を流したという記録も残っている。ゆえに、史実と神話的ロマンを織り込んだ戯曲「ファウスト」は、ゲーテが書いた「戯曲の最高傑作」とも言われ、その物語は演劇にとどまらず、オペラから人形劇に至るまで脚本化され、後世に受け継がれて、現在に至っている所以だと感じている。

2006/1/31 12:25
投稿者:ほたる
>連続投稿で、また、スパム扱いされないかおびえながら書いています(笑)。
週末の貴重な時間に、一週間分、ありがとう。
>人の心はお金で買えても時間はお金では買えないのだよ、ホリエモ
ン。
確かに、買える心の人もいますが、時間はね。。
きっと、大切な事は、人の手間隙なのかもしれないですね。。
aolサーバーと戦ったととさんへ
2006/1/28 18:01
投稿者:とと
ほたるさんへ、
連続投稿で、また、スパム扱いされないかおびえながら書いています(笑)。
ファウスト。読んだことないんですよね。有名なのに。何せ私は本
嫌いだから。それにしても、ホリエモン、そんなに銭がほしいか???
私、友達に、一億あげるからドリカムのコンサートに行けって言わ
れても行かないよって、言ったら呆れられました。
だって、自分の大事な時間をへたっぴーな歌聞くのでつぶすのイヤ
ですもん。
人の心はお金で買えても時間はお金では買えないのだよ、ホリエモ
ン。
http://blog.goo.ne.jp/toto384
連続投稿で、また、スパム扱いされないかおびえながら書いています(笑)。
ファウスト。読んだことないんですよね。有名なのに。何せ私は本
嫌いだから。それにしても、ホリエモン、そんなに銭がほしいか???
私、友達に、一億あげるからドリカムのコンサートに行けって言わ
れても行かないよって、言ったら呆れられました。
だって、自分の大事な時間をへたっぴーな歌聞くのでつぶすのイヤ
ですもん。
人の心はお金で買えても時間はお金では買えないのだよ、ホリエモ
ン。
http://blog.goo.ne.jp/toto384
2006/1/26 2:59
投稿者:ほたる
>見させていただきました。ほたるさん博学ですねえ。
長々と書いたものを読んで頂き、光栄です。。
でも、博学ではないですよ。。私こそ、浅知恵です。。
>ルターの時代は、宗教従事者が、お金儲けに走り、権威失墜。その上で、宗教改革が始まったとか。カルバンもしかりと思います。結局、正直にがんばり、その報酬を受け取ることは悪ではない。と思います。
(世界史が好きなので、書かせていただきましたが、あさはかですいません)
とんでもないです。私も世界史、好きですよ。
特に、(場違いでしたが)ミッションスクールへ行っていましたので、
その辺りのお話は、大好きです。。
やはり、宗教もお金との関わりが難しいですね。。
私は、基本的に商売も、自分を信じて頂いて、儲けさせて頂く…
読んで字の如く、信者と書いて儲けると書く…と思っていますが、
余りにも、一方的で、お金の価値=信仰の深さ…
みたいになりがちですね。。真実は違うと思うのですが、、、。
>規則やきまりを破ったうえで報酬、利益を受け取るのは、悪になります。
堀江氏、経営陣はやってはいけない領域に足を踏み入れたのでしょう。
もし、容疑が事実となれば、感覚が麻痺していたのでは?と思います。
「信長」に例える人もいますが、私は少し違う気がしています。。
>ライブドアの一件で、今後の日本経済のみならず、
人の倫理、考え方も今一度見直されれば、よいと思います。
はい。ある意味、年頭から、考えさせられますね。
真価が問われる時期なのでは?と、思っています。。
私も、自分の身を引き締めないと(ダイエットもですが)思っています。
☆tanipenさんへ
長々と書いたものを読んで頂き、光栄です。。
でも、博学ではないですよ。。私こそ、浅知恵です。。
>ルターの時代は、宗教従事者が、お金儲けに走り、権威失墜。その上で、宗教改革が始まったとか。カルバンもしかりと思います。結局、正直にがんばり、その報酬を受け取ることは悪ではない。と思います。
(世界史が好きなので、書かせていただきましたが、あさはかですいません)
とんでもないです。私も世界史、好きですよ。
特に、(場違いでしたが)ミッションスクールへ行っていましたので、
その辺りのお話は、大好きです。。
やはり、宗教もお金との関わりが難しいですね。。
私は、基本的に商売も、自分を信じて頂いて、儲けさせて頂く…
読んで字の如く、信者と書いて儲けると書く…と思っていますが、
余りにも、一方的で、お金の価値=信仰の深さ…
みたいになりがちですね。。真実は違うと思うのですが、、、。
>規則やきまりを破ったうえで報酬、利益を受け取るのは、悪になります。
堀江氏、経営陣はやってはいけない領域に足を踏み入れたのでしょう。
もし、容疑が事実となれば、感覚が麻痺していたのでは?と思います。
「信長」に例える人もいますが、私は少し違う気がしています。。
>ライブドアの一件で、今後の日本経済のみならず、
人の倫理、考え方も今一度見直されれば、よいと思います。
はい。ある意味、年頭から、考えさせられますね。
真価が問われる時期なのでは?と、思っています。。
私も、自分の身を引き締めないと(ダイエットもですが)思っています。
☆tanipenさんへ
2006/1/26 2:48
投稿者:ほたる
↑ノルマ?達成ですね。。
>ゲーテと来ましたか…さすがに、ほたるさんの教養は幅広いですね。
いやいや、たまたま知っている事と強引に、つなげただけです。。
このファウストも、読み始めは、「なんでこんな本」と、嫌々でした。。
従姉は、私共いとこ一同の脳味噌を持って行ってしまった人なので、
ゲーテをこよなく愛していて、私の読んでいた『サザエさん』を、
奪い取り、「ファウスト」を置いて行きました。。
後で聞いたら、単なる『サザエさん』を読みたかっただけ
…だったらしいですけどね。。
>ゲーテが影響を受けた哲学者にスピノザという人がいて、この人がお金にこだわるやつが大嫌いだったんです。
ほほぅ、私はその人は存じませんでした。ありがとうございます。
>お金にこだわるやつ→ライブドアの前社長
これで、ゲーテと堀江氏がつながった…(^^;
素晴らしい方程式ですね。。
容疑が確定したら、どうなるのでしょう。。
株の事は、気になったので、素人ながら今日UPしました。。
私は、今回、かなり勉強になりました。。
でも、投資するお金が…貧しいのも、時には安全かも?です。。
☆誉め上手のいちまつさんへ
>ゲーテと来ましたか…さすがに、ほたるさんの教養は幅広いですね。
いやいや、たまたま知っている事と強引に、つなげただけです。。
このファウストも、読み始めは、「なんでこんな本」と、嫌々でした。。
従姉は、私共いとこ一同の脳味噌を持って行ってしまった人なので、
ゲーテをこよなく愛していて、私の読んでいた『サザエさん』を、
奪い取り、「ファウスト」を置いて行きました。。
後で聞いたら、単なる『サザエさん』を読みたかっただけ
…だったらしいですけどね。。
>ゲーテが影響を受けた哲学者にスピノザという人がいて、この人がお金にこだわるやつが大嫌いだったんです。
ほほぅ、私はその人は存じませんでした。ありがとうございます。
>お金にこだわるやつ→ライブドアの前社長
これで、ゲーテと堀江氏がつながった…(^^;
素晴らしい方程式ですね。。
容疑が確定したら、どうなるのでしょう。。
株の事は、気になったので、素人ながら今日UPしました。。
私は、今回、かなり勉強になりました。。
でも、投資するお金が…貧しいのも、時には安全かも?です。。
☆誉め上手のいちまつさんへ
2006/1/25 22:13
投稿者:tanipen
ほたるさん こんばんわ。
見させていただきました。ほたるさん博学ですねえ。私はゲーテなぞ読んだことはないのですが、ルターの時代は、宗教従事者が、お金儲けに走り、権威失墜。その上で、宗教改革が始まったとか。カルバンもしかりと思います。結局、正直にがんばり、その報酬を受け取ることは悪ではない。と思います。
(世界史が好きなので、書かせていただきましたが、あさはかですいません)
しかし、規則やきまりを破ったうえで報酬、利益を受け取るのは、悪になります。堀江氏、経営陣はやってはいけない領域に足を踏み入れたのでしょう。
ライブドアの一件で、今後の日本経済のみならず、人の倫理、考え方も今一度見直されれば、よいと思います。
見させていただきました。ほたるさん博学ですねえ。私はゲーテなぞ読んだことはないのですが、ルターの時代は、宗教従事者が、お金儲けに走り、権威失墜。その上で、宗教改革が始まったとか。カルバンもしかりと思います。結局、正直にがんばり、その報酬を受け取ることは悪ではない。と思います。
(世界史が好きなので、書かせていただきましたが、あさはかですいません)
しかし、規則やきまりを破ったうえで報酬、利益を受け取るのは、悪になります。堀江氏、経営陣はやってはいけない領域に足を踏み入れたのでしょう。
ライブドアの一件で、今後の日本経済のみならず、人の倫理、考え方も今一度見直されれば、よいと思います。
2006/1/25 11:03
投稿者:いちまつ
ゲーテと来ましたか…さすがに、ほたるさんの教養は幅広いですね。
ゲーテの本は「若きウェルテル…」をパラパラとしか読んだことがないんですが、ゲーテが影響を受けた哲学者にスピノザという人がいて、この人がお金にこだわるやつが大嫌いだったんです。
お金にこだわるやつ→ライブドアの前社長
これで、ゲーテと堀江氏がつながった…(^^;
ゲーテの本は「若きウェルテル…」をパラパラとしか読んだことがないんですが、ゲーテが影響を受けた哲学者にスピノザという人がいて、この人がお金にこだわるやつが大嫌いだったんです。
お金にこだわるやつ→ライブドアの前社長
これで、ゲーテと堀江氏がつながった…(^^;