2006/3/27

フィギュア世界選手権・女子フリーの演技を観て…  フィギュアスケートと浅田真央選手

「攻撃は最大の防御」…スポーツの解説でよく使用される言葉だが、本日観たフィギュア世界選手権の最中、私が始めに思い浮かべた言葉だった。4分間というフリーの演技の中に、選手達のドラマが集約されている。トリノオリンピックのフリーの演技から1ヶ月…それぞれの選手が描いて来たドラマはどんなものだったか?TVの放映が録画だった為、先に結果を知って観る事となったが、事実上、日米決戦の表彰台の中央に輝いたのは、全米チャンピオンのコーエン選手でも、全日本チャンピオンの村主選手でもなかった。私の中でその光景が、昨年12月のGPファイナルのシーンと重なった。金メダルを獲得したのは、全米2位、16才のキンバリー・マイズナー(愛称・キミー)選手だった。それは、他の選手がミスをしたからという「幸運」からではなかった。オリンピックとは違い予選がある為、総合得点で比較は出来ない。しかしマスズナー選手のフリーの得点、129.7点は、リンクコンディション等の違いはあるとしても、仮にどの試合に出ても、金メダルに値する程の高得点だった。
クリックすると元のサイズで表示します 堂々たる金メダルのマイズナー選手。

マイズナー選手の演技は「シバの女王」の曲に乗ったオリエンタル風な振り付けで、手首の動きの美しさが強調されていた。マイズナー選手は、中野選手同様、トリプルアクセルを跳んだ実力を持っているが、アクセルは2回転に留め、連続ジャンプの難易度の高さで加点して行った。私は、マイズナー選手の演技をトリノのSPで観た時、ジャンプの着氷が素晴らしく綺麗で、ジャンプから次のエレメンツへの流れの美しさに驚いていた。フリーでは転倒があったものの、16才という年齢も踏まえ、浅田真央選手と共に次世代を担って行く選手に育つ予感がした。トリノの後、浅田真央選手もTVのインタビューの中で、荒川選手の金メダルを讃えながら、世界ジュニアで戦ったマイズナー選手の事を話していた。トリノでは6位入賞。オリンピックという大舞台を経験し、自身の持つ全ての演技をその4分間で、見事なまでに演じきった。演技後半、3分50秒からの3連続コンビネーションジャンプ…はちきれんばかりの若いエネルギーが美しく爆発した。プレッシャーを感じさせず、自分自身の沸点に挑戦するかのような攻撃的な演技だった。

最終組6人の中で、SPを終えた時点でトップのコーエン選手が、トリノでの前半ジャンプ転倒の呪縛から解き放たれ、得意のスパイラルシークエンスに満面の笑みが戻ったその後、緊張の糸が切れたかのように、後半からジャンプが乱れ始めた。フィギュアスケートとは、こんなにまで心の中が現れるものなのか!?私は、今まで何試合もTV観戦して来たが、新たなスポーツを観たような感覚がした。オリンピックのリンク上では、スルツカヤ選手もコーエン選手も、金メダルのプレッシャーのせいというより、技能的に不調だと思っていた。スルツカヤ選手は、病気のせいではないか?コーエン選手は、足首を痛めているのではないか?と、思ったものだった。今改めてメダル獲得への道には、並大抵以上の努力は勿論なのだろうが、それ以上に集中力・精神力が重要なのだと痛感した。荒川選手の「メダルを意識せず平常心で滑った」という言葉を思い出した。

会場がコーエン選手の演技にどよめき、マイズナー選手の演技にスタンディングオべーションで沸き返る中、村主選手は演技を始めた。トリノから1ヶ月、体調を崩しながらも、彼女が取り組んできたものは、スピンやスパイラルのレベルアップだった。その改善したポイントが、演技中、素人の私にも見つける事が出来た。コンビネーションを取り込んだり、エッジを切り替えたり、1つずつ難易度を上げる為の構成だった。そして何より、トリノと大きく違ったのは演技中、始終笑顔があった事だった。正直言って過去の村主選手の切なそうな表情に対し、私は、スケートは演劇じゃない…というイメージがあった。それはその様なプログラムであり、情感を出していたのに違いないが、スケートを愛する国カナダで、選手達がシーズンを締めくくる演技には、やはり笑顔が最も似合うと感じた。
表彰式で…村主、マイズナー、コーエン各選手。 クリックすると元のサイズで表示します

また、初の世界選手権出場でSPを終えてメダル射程圏内の4位、更に最終滑走という大きなプレッシャーと戦ったのは、中野選手だった。演技を始めるその前にも、その緊張振りが見て取れた。トリプルアクセルを封印し、ジャンプでの大きなミスは抑えたが、得意のドーナツスピンにも、その硬さが出てしまった気がした。笑顔もSPの時の輝きがなかった。得点も伸びず5位と後退してしまったが、今季シンデレラストーリーを一気に駆け抜けた中野選手には、その圧力の大きさ事態が良い経験となっただろう。追うべき立場の選手と、守るべき立場の選手の新しい交代劇が起きたような試合だった。そんな中、私は恩田選手の演技後の涙も忘れられない。

引退を考えた状態からリンクに戻って2週間、その痛々しいまでの努力が「跳ばなくては」「回らなくては」と言い聞かせながら演技しているような姿に映し出されて見え、何処かぎこちなく自然ではなかった。しかし、恩田選手も今日の試合を通過点とするならば、その涙の中にまた新たな希望の光が、見えているように感じた。只1つ残念な事は、城田スケート連盟強化部長がそのコメントの中で、上位2人を讃えていても、恩田選手の健闘ぶりには、一切触れていなかった事だった。来年の開催国という立場からも、一番彼女の努力を讃えるべき人がこれでは、見えたはずの光も消えてしまう気がして、とても悲しかった。

★スパイラルさんが、カルガリーでご覧になったようです。26日のコメント欄をお読み下さい。
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2006/3/28  4:16

投稿者:ほたる

riku-rikkoさん、コメントありがとうございます。

>色々問題もあるようですけど、

すみません。つい、熱くなってしまいました。。

>今回のマイズナー選手は、若さの勢いを感じましたよね。

12月の真央ちゃんを思い出しました。真央ちゃんも感覚を取り戻して欲しいです。

>後半でのコンビネーションジャンプには思わず二人して「うおぉ〜〜すげえぇ〜」って叫んでいました。

私も、ダブルアクセルからでしたので、びっくりしました。

>何だかソルトレイクでのサラ・ヒューズ選手を思い出してしまいました。
あの時は、よかったんですけどねぇ〜、今は...(笑)

そうでしたね。伏兵が…という感じでしたよね。。
…そうです。年はとりたくないものですね。。ふと、自分も現実を見る。ガクッ。


☆riku-rikkoさんへ

2006/3/28  4:10

投稿者:ほたる

こんにちは。スピンさん、ミラノは暖かくなりましたか?名古屋では、水・木は、文字通り花冷えとなりそうですよ。

>エッ!! スパイラル兄さんってば、カルガリーに居るの! どうりで…いえ、こっちの話です。

だってね。スピンさん、日本じゃ録画だから、放映されてないのに、あの解説!
間違いなく、現地レポートを下さったのだと、思いましたよ。。

>ほたるさんの「学生時代」「ちょうちんぶるま」の所をやっと読みました。

ぶはっ、ばびぶべぼぼぼ。。おばずがじい。。 

>とっても面白かったし、読み終わったあとで自分の小さい頃の事が思い出されてポッと胸が暖かくなりました。

氷上の天津甘栗ちゃんでしたっけ?失礼。。

>スピンが思い出したのは小学校の作文の事。

もうっ。深夜に1人でPCの向って大笑いする女…恐いじゃないですかっ。。

>スピンの祖母はフランス人なんですが、

スピンさんは、クォーターさんなんですね。じゃ、スパイラルさんも?

>タイトル「おばあちゃんは仏人」
>出だしは「おばあちゃんが仏の国に里帰り」

三途の川を渡って…に、なっちゃいますよね。。ふつーは。。

>噂が噂を呼んで、ついにPTAの会長さんがお悔みに来て、
死んだはずの祖母と出くわすハメになりました…ハハハ

すごっ。。わたしまけましたわ。。スピンさん一等賞です。。その天然ぶり。。


>その時、祖母が言った言葉「おばあちゃんはクリスチャンだから死んでもホトケにはならないわ」
「え?じゃあ何になるの?」と聞くスピン。
「スピンの想い出になります」だって。

カーックイイーッ。流石、スピンさんのお祖母様。。トレビアーン。。

>さっき母にこの話をしたら「おじいちゃんもアメリカ人あたりにしとけば、あんな騒ぎにならなかったのにねぇ」との事。

おじいちゃまは、米人。。
英人、独人、伊人、露人。。うほっ、面白いですね。。
何かまともに見えてきて、使いそうになるから恐いです。

> あ、おばあちゃんはまだ”想い出”にはなってませんから、ご心配なく。Ciao! 

それは、良かったです。1度仏にされた方、長生きなさる事請け合いです。
また、素敵なお祖母様のお話、聞かせて下さいね。
おじいさまと、おばあさまの、ロマンスのお話辺り、、、いいわぁ。

☆スピンさんへ

2006/3/28  3:51

投稿者:ほたる

 
 >トリノ五輪、世界ジュニア選手権、世界選手権と「ノーミスに近い演技をした方が優勝」になりました。

現在の採点法ですと、ジャンプのミスが響きますね。

>世界選手権の総合得点は予選の得点1/4が加わるので、五輪の得点と比べるにはSP+FSでなければなりません。

承知しています。
文中では、フリーの演技の得点のみで書きました。
とりあえず、SPは、加えていないです。

>マイズナー選手はジャンプ以外はほとんどレベル3なのですが、3F+3t,3Lz+3Tと後半の3連続ジャンプで高得点を稼いだ感じです。

後半の連続ジャンプが高得点だったようですね。

>村主選手もレベル4を増やして来ましたが、やぱりジャンプの大技の方が得点が高いのでノーミスでもマイズナー選手には勝てなかったはずです。

確かに、構成上はそうなりますね。。

>ただしマイズナー選手の3Tを2回は勿体無い感じがします。セカンドジャンプを3Loと3Tにすれば3Lzと3Fを2回跳べるので今より高得点になります。
 3F+3Loが難しいのなら2A+3Loを入れる手があります。

ご参考意見、ありがとうございました。


☆風鈴さんへ

2006/3/27  22:05

投稿者:riku-rikko

色々問題もあるようですけど、今回のマイズナー選手は、若さの勢いを感じましたよね。
後半でのコンビネーションジャンプには思わず二人して「うおぉ〜〜すげえぇ〜」って叫んでいました。
何だかソルトレイクでのサラ・ヒューズ選手を思い出してしまいました。
あの時は、よかったんですけどねぇ〜、今は...(笑)

http://blog.livedoor.jp/fetish369/

2006/3/27  10:14

投稿者:スピン

Ciao! ほたるさん

エッ!! スパイラル兄さんってば、カルガリーに居るの! どうりで…いえ、こっちの話です。

ほたるさんの「学生時代」「ちょうちんぶるま」の所をやっと読みました。 とっても面白かったし、読み終わったあとで自分の小さい頃の事が思い出されてポッと胸が暖かくなりました。

スピンが思い出したのは小学校の作文の事。
スピンの祖母はフランス人なんですが、テレビで見てフランスを漢字で書くと”仏”一字だと信じたスピンが書いた作文は…
タイトル「おばあちゃんは仏人」
出だしは「おばあちゃんが仏の国に里帰り」
かなり危険な香りがします。で、よせばいいのに先生がこの作文を教室に貼ったからたまりません。
なんたって学年一おっちょこちょい揃いが自慢のスピンのクラス、噂が噂を呼んで、ついにPTAの会長さんがお悔みに来て、死んだはずの祖母と出くわすハメになりました…ハハハ

その時、祖母が言った言葉「おばあちゃんはクリスチャンだから死んでもホトケにはならないわ」
「え?じゃあ何になるの?」と聞くスピン。
「スピンの想い出になります」だって。

さっき母にこの話をしたら「おじいちゃんもアメリカ人あたりにしとけば、あんな騒ぎにならなかったのにねぇ」との事。 ん〜、つっこみどころが違うような気がします。 あ、おばあちゃんはまだ”想い出”にはなってませんから、ご心配なく。Ciao! 


2006/3/27  8:16

投稿者:風鈴

 こんにちは。
 トリノ五輪、世界ジュニア選手権、世界選手権と「ノーミスに近い演技をした方が優勝」になりました。
 世界選手権の総合得点は予選の得点1/4が加わるので、五輪の得点と比べるにはSP+FSでなければなりません。
 マイズナー選手はジャンプ以外はほとんどレベル3なのですが、3F+3t,3Lz+3Tと後半の3連続ジャンプで高得点を稼いだ感じです。
 村主選手もレベル4を増やして来ましたが、やぱりジャンプの大技の方が得点が高いのでノーミスでもマイズナー選手には勝てなかったはずです。
 ただしマイズナー選手の3Tを2回は勿体無い感じがします。セカンドジャンプを3Loと3Tにすれば3Lzと3Fを2回跳べるので今より高得点になります。
 3F+3Loが難しいのなら2A+3Loを入れる手があります。
 ジャンプ構成は
3Lz+3T
3Lz
3F+2Lo+2Lo
3F
3S
2A+3Lo
2A
の46.1点でこれより高い点数にするのには3Aを入れるしかないです。
 マイズナー選手はまだ16歳と若いので、3Loのセカンドジャンプもいずれマスターするのではと思います。
 因みに3Sと3Tが入っていない浅田真央選手の3Aを2回入れるジャンプ構成は
3A
3A+2Lo
3Lz
3Lz+2Lo
3F
3Lo+2Lo+2Lo
2A
の46.8点なので、0.7点差しかないですね。


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