2005/10/16

中学時代の思い出(とみちゃん)  学生時代の思い出とちょうちんブルマ

何年かぶりに、幼馴染の同級生から電話があった。彼女とは家も同じ町内で、中学まで同じ学校に通った。成人してからも何かと声を掛け合い、色々な事でも助けて貰った。最近は彼女が育児に追われ御無沙汰になっていたのだ。しかし、同級生とは、いいものである。何年のブランクがあっても、たった一声聞いただけで、その時間は埋まってしまう。気心が知れていて安心出来るのである。彼女(とみちゃん)と私は中学時代、夏休みは殆どの時間を一緒に過ごしていた。当時私達の学んだ中学は、科学研究に重きを置いていたようで、夏休みの一番の課題は、それぞれが、テーマを選んで自由研究する事が必須であった。中2の時、とみちゃんと私は植物の蒸散作用をテーマに「水のゆくえ」と題し、植物が根から水を吸い上げ、光合成に使い、余分な水分を水孔から排出するまでを、様々な植物の葉で追いかけた。水にインクで色をつけ、植物に吸わせてその経路を確かめたりもした。
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それから、多くの広葉樹の葉を学校に持ち込み、顕微鏡で水孔や、酸素を出す気や気孔の位置を確かめ、記録して行った。形は様々でも殆どの葉が、裏側に水孔気孔も持っていた。ところが、ある日の早朝、我が家の庭にある亡くなった祖父の自慢の赤松が目に入った。「おっと針葉樹を忘れていた」と思い立ち、とみちゃんと「松の葉」を採り、学校へ持って行ったのである。いつものように顕微鏡を借りて「松の葉」を観た。しかし、何処にも水孔気孔も、見当たらない。針葉樹の事に気がついた事すら忘れたい位に、焦ってしまった。夜になって帰宅した父に、早速尋ねたが「知らん」と一蹴されてしまった。理科の先生なのに。と、父も知らないのだと、その時は、腹立ちながら少し馬鹿にした記憶がある。
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少し話は逸れるが私は、幼い頃から、「何々娘」と呼ばれていた。何でも「何で?」と聞くから、周りの大人は、さぞ、うっとおしかったと思う。しかし、私の父は教師でありながらも、鮎獲りのお供には連れて行く事はあっても、私の質問には、まともには、答えてくれず「自分で調べろ」の一点張りだった。かといって、「百科辞典」なる物は家になく「買って欲しい」と強請れば「お父ちゃんにに聞けばいい」と言って退けていた。偶々答えて貰ったとしても、悪戯心か、とんでもない嘘を教えられて、学校で得意げに話して、恥もかいたりしていた。父への失望?は、その時に始まった事ではなかったのだ。
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とみちゃんと私は、今までのデータで充分だから「松の葉」は無かった事にしようと決め諦める事にした。そのまま日は流れて、夏休みも終りに近づいて来ていた。だけど私の心の中にはどうしても「松の葉」の事が引っかかっていた。朝、目が覚めると、せせら笑うように「松の葉」には確実に露がついていたからである。その事を考えないようにすればする程、謎は深まり消化不良だった。
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そんな感じで過ごしていた夏休みの終わる3日前の事、私の机の上に、○○中学校と父の通う学校の名前の書かれた「注射器を大きくしたようなガラスの器具」が置いてあった。邪魔だなぁと脇に避け、父の忘れ物だと思い込んでいて、2日間はそれ以上気にも留めていなかった。2日経った夜の事、お風呂に入っていた時であった、あの注射器のような物体がふと頭に浮かんだ。先には勿論、針でなく、コルクの栓がついていた。私はその瞬間、お風呂から飛び出し、体を拭く時間も惜しんで服を着た。その物体に「松の葉」を入れ、押した。そして圧縮したのである。すると、何と、「松の葉」の先端部分からがプクプクと出て来たのであった。
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私は天にも登る思いで、とみちゃんに電話をした。夜にも関らず、彼女も自転車で飛んで来た。何度も何度も、2人で「松の葉」を採り、試して見た。同じく庭にあった杉の葉も同様に試して見た。朝が来るのが待ち遠しく学校に行くのが楽しみだった。翌朝、私達は、いの一番に学校へ行き、顕微鏡で確かめた。「松の葉」には、水孔気孔も、葉の先端にあったのである。庭の赤松等の針葉樹にも、他の植物同様「水のゆくえ」は成り立っていたのだ。その日、遅く帰宅した父に、大喜びの私は唾を飛ばす勢いでその事を話した。父は笑いながら「まぁ、お前も、よー気がついたわ」と言っただけだった。私達の自由研究「水のゆくえ」は、その年県知事賞を貰った。私達は今でも「松の葉」の件だけで、その賞を頂いたと思っている。電話で、とみちゃんとは、そんな父との係わり合いの思い出話も懐かしく話した。しかしながら、私の「何々娘」ぶりは、厳格な祖母にとっては、被害以外の何物でもなく、他にも珍事件?があり、とみちゃんが覚えていた事も多々あるのだが、その話はまた別の機会にという事で。。。
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2006/3/7  22:45

投稿者:ほたる

ご来訪の上に、「日記、学生時代の思い出編」を読んで頂き、ありがとうございました。
あの…こんなんばかりではないですからね。私。。あっホローになってないですか?。

>これほどまで腹の底から笑い転げたことはありません。多謝!

楽しんで頂けて、嬉しいです。(恥ずかしさもありますが)

>我家の昨夜来の家族の話題は浅田真央ちゃんの四回転ジャンプではなく、松の葉の実験です。

まあ、ご家族団欒の場にまで、話題を出して頂き、恐縮です。

>実験の手助けをお父上がされたか、どうかの意見が二つに割れました。
私は作者ご自身の成果と思います。

手助けは、道具を提供してくれた以外全く無しです。ぼくあずささんのご意見が正しいです。

>教育者の家の雰囲気もほのぼの伝わって来ます。
続編を楽しみにしております。

かしこまりました。おいおい書いていきますので、お待ち下さい。
事実は小説よりも奇なり…って私は喜(劇)の方ですが。。はは。もう笑うしかないです。

☆ぼくあずさ、さんへ

2006/3/7  22:36

投稿者:ほたる

半年遅れで?コメントのお返事です。当時余裕もなくて、失礼していました。

>すぐに答えを教えず、子供が自分で答えを導く事ができるように工夫
されているお父様の姿勢は、素晴らしいですね。そういう先生が多い
と、日本の学校も、生き生きしてくるように思いました。

父親としても、尊敬していました。父は、悪戯好きでしたけど。。

>自然から学ぶ、という姿勢もいいですね。

ははは。自然は一杯ありましたので。。それしか無かったですが。。

>とても教訓になるお話、ありがとうございました。

いえいえ、とんでもないです。
私はでも、あの時代、何もかも使い果たしてしまいました。
今は、絞りかす?の頭で暮らしています。もう、忘れっぽくて困りものです。

☆JUNさんへ

2006/3/6  11:39

投稿者:ぼくあずさ

これほどまで腹の底から笑い転げたことはありません。多謝!作者は並みの才能の持ち主ではありませんね。我家の昨夜来の家族の話題は浅田真央ちゃんの四回転ジャンプではなく、松の葉の実験です。
実験の手助けをお父上がされたか、どうかの意見が二つに割れました。私は作者ご自身の成果と思います。
教育者の家の雰囲気もほのぼの伝わって来ます。
続編を楽しみにしております。


http://flueren.blog.ocn.ne.jp/dorf_flueren/

2005/10/17  6:47

投稿者:JUNさん

すぐに答えを教えず、子供が自分で答えを導く事ができるように工夫
されているお父様の姿勢は、素晴らしいですね。そういう先生が多い
と、日本の学校も、生き生きしてくるように思いました。

自然から学ぶ、という姿勢もいいですね。当たり前の自然の現象の中
に、いろいろな秘密が隠されているわけで、そのからくりを解き明か
していくのが科学だとすると、その秘密に気づき、解き明かす道具/
手段を思いつく、というのは、からくりの解明に大事なんですね。と
ても教訓になるお話、ありがとうございました。


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