2006/11/8

体操を芸術に…冨田洋之…「情熱大陸」を観て。  日記(今日思うこと)

私が、富田選手のファンになったのは、2003年8月にアメリカ/アナハイムで開催された世界選手権を観た時だった。演技前の冨田選手は地味な印象だったが、一旦演技を始めると、特に吊り輪の倒立シーンなどでは、足先までピタリを揃って静止する…その体線の美しさに目を奪われた。しかも、吊り輪のような力技の演技をしているにも関らず、涼しい表情で全く乱れなかった。その時から、富田選手の美しい演技と、演技後の朴訥とした姿のギャップに、妙な魅力を感じてファンになった。そして翌年のアテネオリンピック…。男子団体の最終演技者となって鉄棒を演技した時、NHKの刈屋アナウンサーの実況「新月面が描く放物線は、栄光への架け橋…」は、あまりにも有名になったが、その前に「冨田が、冨田である事を証明すれば…」の言葉は、後で冷静になって聞くと笑えてしまった。あの時は、日本中が冨田選手の演技に釘付けになっていたに違いなかった。

得点だけにこだわらず美しさを追求する冨田選手。 クリックすると元のサイズで表示します

翌年、2005年のオーストラリアの世界選手権では、唯一苦手だった床運動も克服して、日本人として31年ぶりの個人総合優勝を果たした。しかし、オリンピックでメダルを取っても、世界選手権で優勝しても、冨田選手は奢る様子は全くみせず、2004年の大晦日、NHKの紅白歌合戦にゲストとして出た時も、金メダル獲得の偉業を達成した雰囲気など感じられない普通の青年のままだった。そんな冨田選手を、先日TBS系の番組「情熱大陸」が特集した。番組は、10月に開催されたデンマークでの世界選手権までを追い駆けた内容だったが、冨田選手の演技や新採点法についての解説も然ることながら、冨田選手の素顔がクローズアップされていて非常に興味深く観る事が出来た。

それにしても、冨田選手の素顔は「無口」の一言に尽きる。質問にも簡潔にしか答えない。けっして無愛想という訳ではないのだが、会話が続かない。食べ物もいたって普通に順天堂大学の学食で摂り、その後は体育館で後輩達が練習する中、一人黙々と自分の練習メニューをこなしていた。バスト94cm、ウエスト64cmの体脂肪0の逆三角形の体型は、ウェイトトレーニングはせず、体操のみで培われたという。とにかく体操一筋…。冨田選手の日常は、携帯メールや、ゲームなど今時の若者が持つライフスタイルとは無縁の生活ぶりだろう。何だか携帯電話も持っていないような気さえした。そんな冨田選手は、自分の事をこう言った。「リアクションが薄いっていうか、人間的につまんないですよね」…。いやはやとんでもない!私から見ると充分過ぎるほどの面白いキャラクターだ。冨田選手の「ぼそっ」と発する言葉の一つ一つにいい味が出ていて、演技中と素顔のギャップが何とも言えず、ついつい惹き付けられる魅力があるのだ。
クリックすると元のサイズで表示します     無口で素朴な素顔の冨田選手。

冨田選手は子供の頃から運動神経抜群だった。8才の冨田少年は、大阪のマック体操クラブに入り、体操にのめり込んだ。しかし、そのクラブには、ライバルであり親友でもある、鹿島丈博選手も所属しており、コーチ達も鹿島選手のすらりと長い手足に注目、技を磨かせた。冨田少年は、そんな鹿島選手に羨望を抱く事もなく一人黙々と、倒立など基礎的な練習を繰り返していたという。大きな転機となったのは、高校の時、バルセロナオリンピックで6個もの金メダルを獲得した、旧ソビエト ビタリー・シェルボ選手のビデオを観た事だったという。シェルボの体操は、正に芸術的だった。全身に神経の行き届いた美しい技。『静』と『動』の間のバランスのとれた技。爪先までピタリと揃える倒立…。冨田選手は「シェルボのようになりたい」…そう自分に誓ったそうだ。以降C難度の技に挑戦し始めた。8歳の時から培った基礎力があった為、技の習得が早く、あっという間に完璧に出来るようになった。それまで練習場の隅にいた冨田選手に、突如注目が集まりだしたのだ。技の職人…冨田洋之の誕生であった。

今年の世界選手権では、新採点方式となり10点満点が廃止されて、技の難易度で上限がない演技構成点(A得点)と、美しさが問われる演技実施点(B得点)の2段階に分かれその合計点で争われるようになった。この新採点法は、得点の高い大技よりも美しさを優先し、完成度を追求してきた冨田選手にとって、とても不利だった。得点を稼ぐためとはいえ、難度の高い技を連発することは、体力の限界を超えてしまう。冨田選手のようなオールラウンダーの場合、6種目全てに変更を余儀なくされる為、その負担は6倍だったと言えよう。
クリックすると元のサイズで表示します 涼しげな表情での吊り輪の演技。

また、正確に技を刻む冨田選手ゆえその変更は容易ではなかったようだ。更に今年の世界選手権は腹痛と下痢にも襲われ、特に後半の個人総合では、床、鞍馬が終った時点で11位と出遅れた。私はそのニュースを聞いた時、団体戦での鉄棒の落下もあったので不安だった。しかし「とにかく体調を戻す事だけ考えた」…と後で語った冨田選手は、その後快進撃を続け、2位まで挽回した。結果、旧ユーゴスラビアのぺテル・シュミ選手以来の80年ぶりの大会2連覇はならなかったが、冨田選手は、「精一杯やったので悔いはない」「出来なかった事を出来るようにするだけです」と語った。記録より美しさの追求…富田選手は己の肉体を美しく操り、体操の美学を追究し続ける。北京オリンピックまで後2年間、彼のはにかんだ笑顔のガッツポーズを何回も見たいものだと思った。尚、冨田選手は、今月10日からの日本選手権、12月2日からのカタール/ドーハでのアジア大会にも出場する。
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2006/11/10  13:15

投稿者:ほたる

akira様、ご来訪及びコメントをありがとうございました。

>私のブログにコメントありがとうございました。

体操の技についても、大変詳しく書かれているので、
番組のトラバから、行かせて頂いたのですが、興味深く拝見しました。

>冨田選手の美しい演技は素晴らしいですよね。

akira様も体操をなさっていた?のですよね。
図解の技とか解り易かったです。ありがとうございました。

>全日本が楽しみです。

いよいよ始まりますね。
皆さん、怪我のないように頑張って欲しいです。
TVでは、個人総合しか放送しないので、近かったら代々木体育館まで観に行きたいです。
また、貴宅へ伺わせて頂きます。今後共、色々ご指導下さい。。

☆akira様へ

2006/11/10  13:08

投稿者:ほたる

>会場の雰囲気が良くないとスケーティングに影響するのに、どうして友加里ちゃんのエントリーを中国にしたのかしら?

スピンさん、あのエントリーって本人の希望なのですか?
真央ちゃんも、スケートアメリカとNHK杯…
エントリーしている他の選手を見ると、ちょっと、不利な気もしたのですが。。

>追伸:M&Mさま
まるでm&m'sチョコみたいに甘いお褒めのお言葉、ありがとうございます。

あはは。私も彼女にはチョコみたい…って言った事がありますよ。
本名を知っているのでイニシャルなんですけどね。&を入れたから、そのものですよね〜。

>ヴァイオリンは子どもの頃「スピンのはbowingじゃなくてsawing」(ヴァイオリンを弾くんじゃなくてノコギリで切る)って言われたのがネックになって、まだ発展途上って言うか頭打ち… 

あらら。「きこり」か「大工」さんが向いていたのかも?

>やっぱり子どもはM&Mさんみたいに褒めて育てないといけません。 

彼女は福祉関係のお仕事なの。。って結構スピンさんに失礼よね〜私。。

>何の話か良く分からなくなったけど、M&Mさんへの感謝の気持ちでした。posted by spin

今、とっても忙しいみたいなので、メールして伝えて置きました。
でも、スピンさんのコメントは、ホント、皆さん楽しみにされています。
私も…勿論ですよ。私はオチが…楽しみなんですけど。。

あれ?全然フォローになっていないね。いつもいつも失礼仕ります。。



☆スピンさんへ No3

2006/11/10  13:07

投稿者:ほたる

>そう言えばシルヴィ・ギエムさんは体操選手出身のプリンシパル。フィギュアのサーシャ・コーエンさんもそう。ちょっと体操とフィギュアスケートも似ています。

仰るように、相手と一斉に競うのでなく、採点種目という意味でも似てますよね。
確かに、コーエン選手は、正に体操選手出身って感じですよね。
あのスパイラルはお見事!。。誰も真似出来ないって気がします。

>と、話をフィギュアスケートに持って行ったところで、グランプリシリーズのお話。スケートカナダでビックリしたのは村主さんがフリーでボーカル入りの曲を選んだこと。

はい。録画ですがニュースで観ました。
歌詞のないコーラスだから、演奏と考える…って物凄い冒険でしたよね。

>ISUのレギュレーションでシングルにボーカル入りの曲を使うと反則。

原語が違うので歌詞の意味を審査員が理解するか否かでも、得点に響きます?ものね。

>でも敢えて歌詞なしのボーカルを入れるなんて、これ結構歴史的快挙です。村主さんのお陰で選曲の幅が広がりました。

減点されるか?冷や冷やものでしたが、理解されたようですね。
それにしても歴史的快挙!って凄いですね。
フィギュアの歴史に、村主さんの名前が刻まれるって事だもの。。。

>そしてチャイナカップは今日が女子SPですね。

昨夜、報道番組の一部として放送していたのを観ました。

>舞ちゃんは2ndグループの2番滑走、頑張ってね?舞ちゃん。

舞ちゃんのシーンは観なかったけど、転倒したのかな?調子が悪そうでした。

>3番滑走の中野友加里ちゃんの曲は“SAYURI”、これがちょっと心配・・・ 確か“SAYURI”は中国で上映禁止だか上映中止になってて、今度のチャイナカップは南京でしょう。

“SAYURI”は、確か、この春からエキシビションで使っていましたよね。
紫の衣装で、女性らしくて美しかったのですが、
スピンさんの予感どおり?点数は伸びませんでした。


☆スピンさんへ No2

2006/11/10  13:05

投稿者:ほたる

スピンさん、こんにちは。お元気でしたか〜?

>富田選手、体脂肪率0%ってスゴイ! でも沈んじゃうから水泳はダメかも・・・ 

流石!スピンさん、私はこの記事に書けなかったけど、冨田君は、体操以外にも、
野球も陸上も、何でも得意…半年前に始めたゴルフもナイスショットの連発で、
練習を積めばプロになれそう?!と思うほどでした。
しかーーし、水泳だけは苦手…と番組内でも、言っていました。
確かに、浮き難いですよね。

>ずっと前にスカラ座のバレエダンサーの方もウェイトトレーニングはしないって言ってました。やりすぎると体のラインが崩れるし筋肉が硬くなっちゃうそうですよ。

そうなんだ!筋肉が硬くなっては、体操選手としてマイナスですものね。
冨田君は、筋肉をつける為に体操をしているのでなくて、体操していて筋肉が着いた
…って感じだし、勿論コーチも着いているから、
あえてウエイトトレーニングの必要がないって解っているのかもしれないですね。


☆スピンさんへ No1

2006/11/10  12:27

投稿者:ほたる

姫様、いつもありがとう。話題が彼方此方飛んで(今に始まっていないですが)すみません。

>おっ!今日は話しに参加出来るぞー。

おおっ!それは、感激(ちと、オーバー?)です。

>たまたま夫が付けっぱなしにしていたテレビ番組がコレ(すでにこの時夫は爆垂中(-_-メ))

まぁ?でも、付けて置いて下さったご主人様に感謝です。。

>スイッチ切ろうかと思ったんだけど テレビ見ない私が食い入るように見ちゃった。

ふふ。切られなくて良かった(笑)

>なんでこんなに頑張れるんだろうね。どんなにいい点でも悪い点でも
妥協することなく、あくまでも自分との戦いの人なんて カッコよすぎっ!!

「努力」という言葉が一番似合う人ですよね。
いつも他の人を意識しながら、生活している自分が恥ずかしいです。

>努力の先に、結果はおのずとついてくる。心からそうであって欲しいと思った私です(^^)v

はい。こういう選手が認められるって嬉しいです。そうそう、日本選手権も始まります。
確か11日の3時55分からNHKが個人総合の模様を放映するそうです。
夜は、フィギュアのGPシリーズ、中国大会のフリーの放映があって、
中野選手、沢田選手、浅田舞選手が写る(カットされなければ)予定です。
また連絡しますが、もし良かったら、録画して下さいね〜。

>お母様もステキな方だったよね。

楽しい方でしたね。「洋之さんは小さい時から無口なんですか?」の質問に、
「いや、聞こえないだけで喋ってますよ」…って答えられたのには、笑えました。
お兄さんと妹さんがいるようですが、他の子達はどうなのかな?と思っちゃいましたよ。

>ウチの息子は・・・母親である私が悪いのかっ?(くぅーっっ!)

。。。

コメントは、控えさせて頂きたいのですが(笑)
お仕事しているお母さんの姿を観てるからか、優しい子供さんですよね。
まだまだこれから。。。もっと親孝行されますよ。。…なんて無責任かしら?


☆ピュアラ姫様へ

2006/11/10  12:12

投稿者:ほたる

恵雅さん、こんにちは。体操選手の絵を描くのは難しいですか?

>私も情熱大陸見ました。

そうですか。冨田選手のファンとしても、とっても嬉しいです。

>この番組を見るのがすきでいつも見ています。

30分の番組ですが、いい番組ですよね。私も毎回ではないですが、
なるべく観るようにしています。葉加瀬さんのテーマ曲も大好きです。

>冨田選手の寡黙さには驚き、それでもこの体操に対する情熱と努力には頭が下がりました。

あの寡黙さ…インタビューしていたアナウンサーも困っていましたね。
困った挙句、その寡黙さを彼の味…みたいに編集されていて、やはり良い番組だと思いました。

>ところでコメント残しても消えてしまうのはナゼでしょう?これはきえなければいいのですが。

お手数をおかけしました。残って良かったです。
冒頭の記事でも書きましたが、サーバーの不具合だったようです。
aolのHPにも載っていましたが、原因はまだ解らないとの事。。心配ですが、
結構、何かあっても迅速に対応してくれるので、改善されると信じています。
また恵雅さんの所へも楽しみに伺います。今後共、宜しくお願い致します。


☆恵雅さんへ

2006/11/10  12:00

投稿者:ほたる

50代オヤジ様、ご来訪ありがとうございます。

>コメント&TBありがとうございました。

此方こそ、ご丁寧にありがとうございました。

>富田選手は久々の体操界に現れたプリンスですが、一昔前は体操競技も華やかでしたが、最近はかなり地味な印象です。

そうですね。確かに体操競技そのものの扱が地味ですね。
実際、体操選手を目指す子供達が減っているような気もします。

>富田選手の凄さがもっともっと伝わればいいのにと思います。

はい。「情熱大陸」はそういう意味でも、有り難い番組でしたね。
以前NHKのBS-hiでも、特集されたようですが、両番組とも再放送して欲しいです。

>それにはやはりオリンピックでの金メダルが一番なので、北京での活躍を期待しています。

はい。新採点法は、冨田選手にとって有利とは言えないですが、
彼が納得の演技をする事が出来て、メダルが着いてこればいいなと思って応援します。


☆50代オヤジ様へ

2006/11/10  11:52

投稿者:ほたる

こひ〜さん、インディアカのボールのご説明をありがとうございました。

>記録より美しさの追求
かっこいいですね!

はい。自分の限界との戦い…というか、意思の強さを感じます。
実際に、世界選手権の個人総合の時は、全く、順位を気にしていなかったそうです。
それで、体調が悪くても、挽回して結果銀メダルが取れたようです。
反対に団体の最後の種目、鉄棒の時は、中国との点差を意識して、
より完璧に演技して高得点を…と臨んだそうで、意識しすぎて落下した…
と冨田選手は話していました。
トリノの時の荒川さんも、他の人を意識していなかったと話していましたが、
体操にしても、例えばフィギュアにしても、
あくまでも自分のペースで演技する事が必要なのだと思いました。

>体操選手の身体って男が見てもかっこいいです。

ひたすら練習を積んだ事によって、あそこまで美しくなれるんだと、感じました。
体操の一つ一つの種目の技に必要な筋肉が鍛えられている…
冨田選手の肉体そのものが、芸術作品のようでした。

>ああゆう体型が理想なんだけどなぁ・・・
。。。。。

冨田選手は、毎日1時間以上、柔軟体操をするそうです。
怪我をしないように鍛える…基本に忠実なのでしょうね。
私も、及ばずながら、運動をし始めようと、つくづく思いました。


☆こひ〜さんへ

2006/11/10  11:34

投稿者:ほたる

ヌマンタさん、こんにちは。コメントをありがとうございます。
ヌマンタさんがコメントを書いて下さった時間に、
aolがサーバーの不具合を起し、コメントが載らない現象が続いていました。
もしかしたら何度も投稿し直されて、お手数をおかけしたのでは?と、
申し訳なく思っています。


>不思議ですね。少子高齢化の影響か、過保護に育てられ、逆上がりさえ出来ない子供が増加する一方で、

危ないからという理由で、学校の校庭から鉄棒が撤去されつつあるようですね。
私の小学生時代、逆上がりは、必須の出来ない子にとっては、大変な課題でしたが、
皆で助け合って練習しました。その子が出来るようになった時は、皆で喜んで…。
そういう光景も無くなってしまうのですね。

>富田選手のような、かつての体操日本の全盛期を思わせるような若者が存在するのですから。

仰るように、富田選手の存在は、この時代には不思議な存在の感じも致します。
「情熱大陸」を観ただけでも、彼の生活自体、今時の25才の人達とはかなり違う気がしました。

>あらためて、教育の重要さを思い知らされます。

はい。危ないから…と避けるのではなく、どうしたら危なくないかを指導する。
鉄棒に限らず、あらゆる面に於いて、言えることではないかな?と感じました。

☆ヌマンタさんへ

2006/11/9  22:41

投稿者:akira

私のブログにコメントありがとうございました。
冨田選手の美しい演技は素晴らしいですよね。
全日本が楽しみです。

http://www.geocities.jp/taisoufan/


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