2005/10/19

焼き物(食器)その1  日記(今日思うこと)

愛知万博も無事に終り、2月の新空港開港と共に、賑やかであったこの地方も、平生さを取り戻した気がする。繁栄をもたらしたのは一部特定の企業だけであったような気もするが、愛知博開催の瀬戸市と、新空港の出来た常滑市とには、共通の焼き物という産物があり、少しは改めて見直されたようだ。今日は、この2種類の焼き物について書いてみる。常滑焼も、瀬戸焼も、信楽・備前・丹波・越前と並び、日本の六古窯と呼ばれている。時代は平安時代まで遡る、歴史のある陶土に恵まれた焼き物の産地なのだ。
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焼き物は、まず日常で使用されている種類として(土器は別に考える)大きく2つに、分類される。石物(磁器)と、土物(陶器)である。各家庭にも双方必ずや、あると思うが、白くて、表面がつるつるしており、固い感じがする焼き物が磁器。(洋食器は、殆どが磁器である)どっしりしていて、土っぽい素材に、絵が書いてあったりして、釉薬という上薬が、かかっている物が陶器である。磁器は石を砕いた粉から作られ1300〜1400度の温度で焼かれる。陶器は粘土から作られ1100〜1200度と、比較的低い温度で焼かれている。強度は勿論、磁器が陶器より強い。そして、常滑焼は、その製造過程等からその陶器と磁器の中間に位置する、せっ器(せつは、火に石と書く)と呼ばれる焼き物である。
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常滑焼は、器として急須が有名である。せっ器と聞くと土管のイメージがあるのだが、この焼き物は、上薬をかけておらず(無釉)焼き締めという製法で作られる。常滑焼の急須は、赤い粘土を使用しているから朱泥と呼ばれているが、他の土焼の急須と同じく、無釉なので、直にきめ細かい土がお茶に触れ、アクなど、不必要な物を吸着してくれる為、お茶本来の味、色、香りを充分に楽しませてくれる。緑茶にかぎらず紅茶、中国茶などの場合にも同様に美味しく頂けるのである。特にお茶でも、玉露に於いては、湯冷ましを使い、搾り出し急須で出して飲むと、最後の一搾りが、正に「露の如く」甘くて美味しい。但し、常滑焼の茶碗は朱色の為、お茶の色が分かり難いという欠点がある。ゆえに、私の手持ちの朱泥の茶碗には、中に白い万寿菊の花が書かれていて、その白い所で、お茶の色を楽しむように工夫がなされている。最近は、時間に追われてばかりの生活で、常滑焼の茶器でお茶を飲んでいないが、今夜辺り、朱泥の茶器セットを出して飲んでみたいと、思う。
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また、瀬戸焼は、焼き物の代名詞になる程有名だが、土の焼き物に、鉄の色素で絵を書いて、上薬をつけて焼いたのが、始まりと言われている。この瀬戸焼には、様々な上薬(釉薬)が開発され、安土桃山時代の茶の湯を華やかに彩った。その釉薬の種類、絵付けの方法による種類は、織部焼を始め、志野、黄瀬戸、瀬戸黒、などがあり、歴史上の舞台にも多々登場する。信長が美濃地方を平定すると同時に、瀬戸の陶工たちを、岐阜の多治見、土岐、瑞浪に移し、美濃でも盛んにした。(瀬戸山離散)ところが、江戸時代になると、有田で磁石鉱が、朝鮮陶工(李参平)によって発見され、硬くて丈夫な磁器が流行した為、一旦は、廃れてしまう。当時、藩を出るのは犯罪であったが、密かに、有田に渡った加藤民吉が、磁器の製法を学び、瀬戸に持ち帰ってからは、磁器も盛んに焼かれるようになった。そして、焼物のことを瀬戸物という程に焼き物の産地として有名なったのである。現在も、瀬戸、美濃では、土物・陶器のことを、「本業」と、石物・磁器のことを「新製焼」と呼び、盛んに、電気、ガスの窯で、焼かれている。
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私も、伯母の紹介で、瀬戸の作家さんの元で、陶芸をかじった事がある、どちらかと言うと、器を作る前の菊練という、土を混ぜて、粘土をこねる事が得意であった。周りの人に「うどん屋さんにいたのか?」と、言われた程だ(何故か、パスタを作っていたとは、誰も言わなかった)自分の手で、抹茶茶碗が出来ていく課程は、楽しみでもあった。まず素焼きにして、絵付けする。どういう訳か、上手に形が出来たと誉められた茶碗に限って、絵を描かないように言われ、全部に釉薬をかけられた。「椿」のつもりで描いた絵も、作家さんは「梅」だと仰った。誉めて下さったようだが、私は今でもその作家さんが、椿と梅の違いを解って居られなかったと、信じている。。
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このように、愛知県内には、全国、世界に誇れる焼き物がある。万博では、各パビリオンが、新しい技術、製品で凌ぎを削りあっていた。しかし、新しい物に目を向けるばかりでなく、この環境の良さに感謝して、古くから伝わる物の良さも、今一度、味わってみたいと思っている。
また、「焼き物その 2」とし、次は幼い頃に馴染みのある?磁器・有田焼きの一部について、触れる予定である。
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○参照 「陶器と磁器の違い」 
http://www.oodate.or.jp/user/kitchinhouse/mame/toki-jiki.html

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2005/10/20  19:43

投稿者:コロコロさん

焼き物の歴史、特に常滑焼について、ありがとうございました。
すでに常識だったのかもしれないですが、最後の一搾りが「露の如
く」甘くて美味しい訳も、納得できました。見栄え以外にも、こう
した素材に、工夫があるのですね。

それにしても、ほたるさん、「うどん屋さんにいたのか?」と、言
われた程、こねるのが上手いのですね。うーん、多才すぎます。そ
の瀬戸の作家さん、ほたるさんの悪戯心を読んでましたね。上手に
出来た器には、絵を描かせてもらえなかったというところ、笑えま
す。技を極めた専門家というのは、人間洞察も鋭いものなんですね
ー。



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