2005/11/1

三冠馬が誕生するまで  乗馬と馬について

一昨日だったかNHKで、シンボリルドルフ以来、21年ぶりの無敗の三冠馬ディープインパクトが、三歳馬のマラソンレースと言われる菊花賞(3000メートル)に挑戦し、勝つまでを特集していた。父親は、何頭もの名馬を生み出している、「サンデーサイレンス」という血統でありながら、馬体が小さかった為、期待はされていなかったそうだ。しかし、放牧されている牧場でも、勝気で、馬の群れの中でも、先頭に行きたがる性格だったという。更に他の馬が休んでいても、走り続けていたようだ。

ディープインパクトは、生まれつき、後ろ足の蹄が薄いという弱さを持ちながらも、後ろ足を高く振り上げ、推進力を増すフォーム。足の関節の柔らかさ。そして、疾走後すぐに心拍数が戻る、素晴らしい心肺機能を持ち供えていた。上下動が少なく、まるで、チーターのような走り方になるのは、天性の備わりだったようだ。しかし、そのスピードゆえに、サラブレッドの弱い脚はついていけなくなる。ディープインパクト父や、兄姉達も足を骨折したりして、余儀なく引退をしていたのであった。
クリックすると元のサイズで表示します後方馬と後ろ足の位置を比べると推進力の秘密が解る。

新馬としてデビューした当時の、ディープインパクトは、パドックにいる時から、足を蹴り上げ「走りたい」意思を表していた。走る事が好き。我慢できずに抜き去り、1番でないと気がすまない。私は何となく、他人?の気がしなかった。三歳馬だけが挑戦できる。クラッシックレースは、皐月賞2000メートル、ダービー2400メートル、と段々距離を長くしていく。先週の菊花賞は3000メートルと一気に長くなる。足を痛めず、スタミナを消費せず、最後に勝つ為には、夏の調教で、我慢して走る事を教え、馬の意思でなく、騎手によってスピードをコントロールする事を徹底して叩き込んでいた。

9月になってからのレースは、すっかり落ち着きを取り戻し、もう負ける要素は全くないと、思われていた。菊花賞当日も、パドックでは落ち着き、後ろ足を蹴り上げる仕草は見せなかった。スタートも今までのレースは、ゲートが開いた瞬間、焦って飛び跳ねていたスタートとは違い、綺麗なスタートだった。調教の効果が顕著に出ていると思われた。しかし、コースを2週した経験を持たないディープインパクトは、いつもスパートをかける第3コーナーで、間違えてスパートしてしまったのだ。TVの画像でも、武豊騎手が、手綱を引き、ディープインパクトが口を開けている姿が見て取れた。このそそっかしい性格も他人?とは思えない気がした。

その様子を車に例えればディープインパクト自身がアクセルを踏み、武豊騎手はブレーキをかけ続ける。それはガソリンが無駄に消費されるという事になる、人馬のバランスは崩れ、ディープインパクトは、スタミナを浪費したはずたった。距離の長いレースでは一番やってはいけないレース運びになってしまったのだ。 しかしセオリーを破った馬の背には名騎手がいた。技術を駆使して、馬を馬群の中に入れ「まだ一周あるよ」と話しかけ、ディープインパクトの気持ちをなだめた。観客から離れた「向こう正面で落ち着いた」と、武豊騎手は語っていた。それでもレースは半分以上過ぎていた。 最後の4コーナー、先頭を行くアドマイヤジャパンの勢いは落ちない。その差は約5馬身。前半にエネルギーをロスしたディープインパクトの、逆転の望みはないかと思われる様子だった。

ところが、このスーパーホースは規格外だった。ゴールから逆算した600メートルを推定33秒3(平均時速64・9キロ)というスピードで駆け抜けた。2着でゴールしたアドマイヤジャパンのそれは35秒5。ライバルより2秒以上も速い「瞬発力」で逆転を果たした。 武豊騎手は「また飛びましたね」と笑わせた。空飛ぶサラブレッドは驚くべきスタミナという新たな一面を見せ、偉業を完結させたのである。私は特集を観ていて、先に書いたディープインパクトの天性からの素質と、やはり武豊騎手の馬とのコミュニュケーションを取り、操縦する技術が揃って、この偉業を成し遂げ得たのだと痛感した。
クリックすると元のサイズで表示します 菊花賞、表彰後観客に答える武豊騎手とディープインパクト

ピンキリのキリもキリ、末端ではあるが、乗馬を嗜んだ者として、武豊騎手の騎乗ぶりに感動した。馬は知能も高いが、敏感な心を持っていると思う。私が乗っていたベンツ君は、私が乗馬クラブに着き「こんにちは」と挨拶するだけで、自分の出番だと、待ち構え、馬房の中で、はしゃぎ始めた。だが、私が初めて乗った日には、舐めに舐めきり、私が初心者で自分でまともに降りられないのを良い事に、私を背中に乗せたまま、馬場からさっさと、自分の馬房に戻り、飼葉を食べていた。馬場からベンツと私が消えた事に驚き、慌てたインストラクターの人達が、私の名前を呼んでいても、ベンツ君は無視して飼葉を食べていた。その内にその中の1人が「ベンツー」と自分の名前を叫ばれた途端、さっさと馬房から出て元の馬場に戻ったのであった。「あらま、ほたるさんも、一緒に馬房の中だったの」と他の皆は大笑いだったが、私の存在など無視したベンツ君には、やられた!以外の何物でもなかった。それからの私は、馬に乗るというより馬の手入れ(じゃれあい?)の日々、農場のお手伝いさん状態が始まった。そのベンツ君との触れ合いの話、更にスタント体験の話はまた、別の日記で…
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