この前から、どこからともなく「三国志」の名前をよく聞くので、
いったい何なんだと思っていたら、
東京国立博物館が「三国志展」を開いていたらしい。
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1953
日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」
平成館 特別展示室 2019年7月9日(火)〜2019年9月16日(月)
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自分にとって、三国志といえば、NHKの「人形劇三国志」。
三国志については、魏・呉・蜀くらいしか知らなかったし、
リアルタイムではむつかしそうだったので、見ていなかったが、
再放送時に偶然チャンネルを合わせたら、
面白かったので、ハマってしまったのだった。
何と言っても、人形作家・川本喜八郎(故人)の人形が秀逸だった。
(海洋堂フィギュア)
続きものなので、毎週(毎日だったかな?)見ているうちに、
物語や、沢山の登場人物の背景、エピソードなどを知りたくなり、
本をいっぱい買って、むさぼるように読み始めた。

(現在は絶版)
そのため、途中からかなり「三国志」に詳しくなり、
諸葛孔明が物語の最後、
いや、クライマックス「五丈原の戦い」に玉砕覚悟で臨む時、
「出師の表」(すいしのひょう)を劉禅(劉備の息子)に表す…、
森本レオ(孔明)の声でそれを聞くことが出来た時の感動…。
今でも忘れられない。
声優は少なく、一人で何人もの役をこなした。
が、
森本レオの孔明、
谷隼人の劉備玄徳、
せんだみつおの入魂の張飛
大好きな石橋蓮司の関羽
いつもは剽軽な岡本信人が低音で魅了した曹操…
どのキャラクターも声優の名演によって、
生き生きと人形が人間以上に役を生きたのだった。
とくにせんだみつおの張飛は特筆すべき熱演だった。
森本レオは言うまでもない…。
「殿、それならば、よいのですが」と
囁くような声に腰が砕けそうになった。
プロモーション動画
https://www.youtube.com/watch?v=e17HpMr1Jtc
埋め込む機能が今働かないので(泣)

NHKテレビで最近、「三国志」特集を放送した時、
35年ぶり(?)に、
その「人形劇・三国志」の本物の人形を登場させるというので、
とても期待して録画した。
故・川本喜八郎の名作である。
本物は、何度か展覧会で見たことがある。
展覧会で展示するほど、出来が良かった。
美術品といって良かった。
人形の顔は意外と小さく、テレビだとアップで映るが、
こんなに小さい顔だったのだと思ったくらいだった。
けれども人形自体は、顔は小さいものの、肩幅が広く背が高く、
迫力のある大きさだった。
NHK人形劇のために、100体以上の人形を制作したという話だったが、
どの人形にも個性があり、
主役級の人形だけでなく、モブの人形でさえ、
命が宿っているかに見えた。
そして諸葛亮孔明…
白孔明と黒孔明、
二体の孔明があった。
何とも言えない品格を感じた。
凛として涼やかな、
静かな威厳がそこにあった。
猛々しい極彩色の武将たちの人形の中で、
色をあえて抑えたモノトーンに仕上げられ、
それが孤高の軍師の存在を際立たせていた。
川本喜八郎の天才が作り上げた工芸品であった。…
川本喜八郎オフィシャルウェブサイト
http://chirok.jp/
人形劇『三国志』 - 川本喜八郎 Official Web Site
http://www.sakuraeiga.com/kihachiro/sakuhin.htm
人形劇 三国志 全集 五(DVD三枚組)
以前、文楽(人形浄瑠璃)を初めて見に行ったことがあるが、
その動き、
人形遣いたちが黒子となり、自分たちは無表情のまま人形を動かし、
しかしその人形の表情の豊かさ、喜怒哀楽、
身を捩りたくなるような運命の厳しさを
人形の動きで表現していることに胸を突かれたことがあった。
(この「義経千本桜」について、書こうと思いながら余裕がなく、
パスしてしまったのが残念で仕方がない)
そして、その時思わず「人形劇三国志」を思い出したのだった。
テレビで見ていた「人形劇三国志」の人形の動かし方は、
まさに文楽そのもの。
文楽を参考にしていたことを、最近になって知ったのだった。
現在、喜八郎の人形は専門の美術館があって、
そこで展示されているようだ。
飯田市川本喜八郎人形美術館
http://www.kawamoto-iida.com/
著作権が厳しく、人形の写真は持ち出せない…。
(写真は本の表紙やポスターなど苦肉の策で…)
ちなみに、NHKの番組「三国志」は、
人形だけでなく、声優たちも当時のまま参加するということだった。
森本レオはともかく、谷隼人も…
些か年を取り、滑舌もままならなかったが…
ともあれ期待していたが、構成がまったく駄目で、
人形の部分だけまとめて放送されるのかと思っていたら、
舞台がしつらえてあり、
各章の始まりごとに、物語のダイジェストか、ハイライトのように、
ほんの少しそこで人形が登場し、
そして(映像の)本題に入るという、
まことに人形には勿体ない使い方をしていた。
せっかく何十年ぶりかで本物の三国志人形(と躁者、声優さんたち)
が勢揃いして登場したというのに、残念だった。
人形劇に特化した番組ではなかったので、
仕方のない構成だったのだろう。
現地へ赴いて、今も残る赤壁の戦い跡等、
三国志のゆかりの場所を尋ねたり、
当時の武器をリアルに紹介したりする番組だった。
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以前書いた、人形劇三国志について 04/2/27
http://isabeau.d.dooo.jp/fkyoto/nsangoku.htm
人形劇三国志グッズ
http://isabeau.d.dooo.jp/other/sangoku/sangood.htm
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