書き込みが遅れ気味ですが…
この前の土曜日、5月27日の7時半から8時45分だったかな?
NHKで、「京都のこれから」という特別生番組が放送された(タイトルが間違っているかもしれません…)。
大阪でも多分放送されていなくて、京都地方だけの放送だったと思う。
司会者がNHK京都のニュース番組のアナで、京都に住んでいるらしいやや著名なゲスト数人が出演。
中京区の呉服屋の客間みたいなところで座布団に正座して、いろいろ意見を生放送で言うという番組。
一般人20人(?)くらいが、同じ客間にやはり座布団(座椅子つき)に座って、ゲストの意見を聞いている。
ゲストは柊屋の女将さんとか、ジェフ・バーグランドとか。
ジェフさんは20年ほど町家に住み続けているアメリカ人で、京都はみやこのみやこ、という意味なんです、という京都びいきの人。
一人、右京区だったか嵯峨野だかに住む、何とかいうどこかで見たことのあるゲストがいて、その人は「自分は洛外だったものだから、京都人にさんざん見下された」と発言していて、ああ、そうだろうなあ、と気の毒になった。
その人は、現在の京都の中央部が、町家がどんどんなくなり、景観が破壊され、ひどい状態になっていることを、内心では「ざまあみろと思ってます」。
いやあ、気持ち分かる。ものすごくよく分かる。納得した。
でも、番組はこのような意見をそれぞれ勝手に言っていては埒があかないから、現在の京都をどうすれば良いか、という方向で進められた。
つまり、景観の破壊が進み、京都らしさがどんどんなくなっていっている。京都独特の産業(西陣織などの着物など)も衰退して行っている。
観光客が望む京都、京都らしさをどのように保ち、未来へ継承して行けば良いか。
しかしいかんせん、1時間ちょっとの短い時間なので、掘り下げた議論にまではいかなかった。
番組で取り上げられたことは、京都の新聞やこれまでの京都のテレビでさんざん言われていることで、言うまでもなく、それらのメディアの方が突っ込んだ見方をしていた。でも短い時間だからしょうがなかったと思う。
VTRで京都出身のタレントの言葉などもあった(坂下ちり子など。彼女は下京区の出身らしい)が、彼らのおおむねの意見は、京都は変わって欲しくない、昔ながらのままでいて欲しい、ということ。
これは、どの地方出身者でも言うだろうふるさと指向の意見で、別段参考にならない。
むしろスポーツライターだという何とかという人の、京都は三方に山、中心に川、これさえ保っていればどんなに変わろうが京都なんです、という意見が新鮮だった。
みんな、京都に危機感を持っている。それは確か。なぜか危ない、と思っている。それを再確認した。
印象的だったのは、現在の建築基準法では、町家を新しく作ることは出来ない、という話だった。
多分、木造で、工法が古いやり方なので、昔の町家そのものは火事や地震などの点から基準法に引っ掛かるのだろう。
だから、一度町家を壊してしまえば、二度と再生出来ない。二度と作れない。
そう言えば、法隆寺の宮大工、西岡常一さんは、建築基準法をボロカスに批判していた。あんなものがあってはいい建物は作れない、とクソミソだった。
以前のNHKの番組では、町家は意外と地震に強い、という実験もしていたと思う。火事に弱いのは木造ならどこでも同じだ。清水寺だって弱いさ。
いろいろむつかしいことだが。

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