大相撲中継の、最初の記憶は、
父の好きだった、元大関貴乃花の美しい雄姿だった
訃報続きのこんな日は、珍しく
『人生とは・・・』などと考えてみたりする・・・
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子供の頃から、わりに多く
好きな人との永遠の別れを経験してきた
最後に残った、白い骨の小ささを見て
『結局はこうなるのか どうせなら
恨まず、怒らず、あくせくせず
大らかに美しく爽やかに生きたいものだ・・・』
と思ってきた
でも人間は喜怒哀楽のある感情の動物
特に私など、単細胞にできているので
なかなか思うようにはいかないが・・・
最近、知人宅で韓国映画【八月のクリスマス】を観た
私は日中から映像に熱中できず、結構面食いで
おまけに粗筋を知らないと見ていても
落ち着かないたちなので
シチュエーション全てが噛み合わず
始まってすぐ、その映像と
ゆっくりした展開の美しさに気付きはしたものの
『え?もしかして、この人が主役?』
『えっ?下条アトム?』
『えっ?これは誰?・・・で、最後はどうなるの?』
と、せっかく薦めてくれた人をくだらない質問攻めにし
最後のとどめに
『いいのはわかるがこんなのじゃ泣けない』
などと悪態をつき、大いにヒンシュクをかってしまった
ただ、後から何故か甦ってくる
印象的なショットが何箇所かあって
自分自身の死に静かに向き合う穏やかな主人公の姿と
爽やかな笑顔は静謐な美しさに溢れていて
詰まる所かなりの名作でした
(J さん、本当にごめんなさい)
この映画や、ヨン様から派生した韓流物を見ていると
隣国の人達の凛とした美しさに驚いてしまう
儒教のせいか、国の教えがいいのか
皆がきちんとしていて爽やかで
追いかけている日本人との佇まいのギャップを見ると
恥ずかしさで思わず目を覆いたくなってしまう
海外で、厚底の汚れたウォーキングシューズを履き
高級ブティックで買物に没頭する集団と鉢合わせたとき
思わず逃げ出したくなってしまう、まさにあの心境だ
最近、森光子さんの【放浪記】をTVで観た
(放浪記は、樫山文枝さん主演を、昔テレビで見たが
この手の話題に関してはまた、いつか・・)
行商人の親子が、主人公の家に入るシーンなのだが
母親が自分の着物の裾をパンパンと叩き
汚れを払って敷居をまたぐ所作に、思わずはっとした
こういう精神を、私たちは忘れてはいないだろうか?
あと、古い映画で座布団を裏返して
人に薦めるシーンなども見るが、あれなども同じこと
生活様式の変化は、
住む人の精神まで変えてしまうのかもしれない
追いかけるのなら、
韓流の人達の何が良くて追いかけているのか
なら、その良さは何から来るのか
もっと突き詰めて追いかけて欲しい
何でこんなに幼稚なのだ???
(・・・などと、ちょっと最近、訃報が多く
悪いニュースが多く、不機嫌なことなども少しあって
こんなボヤキを言っている私のほうが
爽やかではないのかも・・・反省)
で、何かに爽やかだ〜と感じる瞬間なのだが
私の場合、結構、クラシックなので
昭和40代以降の方には、苦しいかもしれないが
(・・・笑わないでね。思い切り古ネタです・・・)
@美空ひばりさんの「柔」
最後の『待〜ってーーってーい〜〜〜〜〜る〜」の
一番最後の〜の部分で
コブシがコロッとひっくり返るのを聴くと
まるで鳳仙花の種がパチッとはじけ
世界がパーンと甦ったように
『さわやかだ〜!!!』と感じ、活力が沸く
Aサザエさんの歌
小さい頃、お風呂を焚くのは私の仕事だった
炭の焼ける匂いと、お湯の匂い
西日の落ちた後のうっすら明るい空の色
&サザエさんの歌のワンセットは
なんか平和的で穏やかな爽やかさに満ちている
B森田健作先生「さらば涙と言おう」
本当に申し訳ない
サイトを私物化する気はないのですが・・・・・
この曲が主題歌だった【俺は男だ!】
これは、確か日曜8時からの放映ではなかったか・・・
ちょうど、お風呂上りで
火照った体を爽やかな風で冷ましながら
この曲を聴き、砂浜を走る胴着の集団を見るときは
『なんて爽やかなんだ〜!』と思ったものです
・・・って、最近のもののたとえができないのは
結構悲しいかも・・再び反省
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・・・で、長々と書いた、今日の日記の流れを受けて
最後に、ご紹介したい本があるのですが
【赤い鳥】を編集された鈴木三重吉さんの【桑の実】
鈴木三重吉全集の中にしか
もう見ることができないかもしれませんが・・・
時代背景は、多分、放浪記の頃でしょうか
いま、本を開けばわかるのですが・・・・
一般に女の人は、着物を着ていて
男の人は、着物や背広に
帽子を被っていた時代のお話しです
日常の暮らしが細やかに淡々と描かれていて
【八月のクリスマス】を観たとき
内容は全然違うのに、この物語を思い出しました
小津安二郎作品をお好きな方にも、お勧めかも・・・
それにしても
『帰る時間を守る』『帰ったら靴を揃える』『人の目を見て話す』
を教えられ
継承したい、という貴乃花親方も、教えた故二子山親方も
まだお若いのに、思いきり古きよき時代の方ですね
なんか、悲しいです。ご冥福をお祈りいたします!