2010/12/19

レジョネアの嵐第70話「僕が戦う理由」  大河トラビアン小説

「あなたはなぜ戦うんですか?」
 その問いに、レジョネア君は静かに眼を閉じ、立ち上がった。


「僕はもう行かなくては。」
 いつの間にか、ジョネア君の足元に懐かしい姿が現れていた。レジョネア君は無意識に先生をすくい上げ、手のひらに載せた。昔のようにおなかをくりくりすると、先生は気持ちよさそうに体を伸ばしている。レジョネア君はその手にそっと先生を包みながら話し始めた。

「僕たちの力が、ほんのちっぽけなものだということは十分知っているよ。もしここで戦いをやめても、いや、僕たちのが村ごと消滅したとしても、きっと世界には何の影響もないのだろう。」プレ315が何か反論しようとするのをレジョネア君は目で制し、言葉を続けた。
「それでも僕がレジョネアとして生まれた瞬間から、僕には守りたい人々がいた。そして、今も僕を必要としてくれる人がいる。もしこの戦いに何の意味がないのだとしても、その事実は変わらない。だから、僕は戦えるんだ。」

 そう言って、レジョネア君は車座に座った人々を見回した。しばらくの静寂の後、こらえきれなくなったようにチュート16が笑い出し、しゃべり始めた。
「ハハハハッ、そうか。お前は自分が戦う理由すらも仲間の為か。俺がお前に殺された理由が今ようやくわかったよ。お前の命はすべて仲間の為だから、勝手に死ぬことができないわけだ。もしそんな仲間がいれば、俺ももっと強くなれたのになあ!」今やチュート16は、大声で笑いながら涙を流していた。
 プレ315も立ち上がり、微笑みながらレジョネア君に話しかけた。
「レジョネアさん…。きっと皇帝はあなたの答えを聞いて喜ぶでしょうね。こんな当たり前の答え…。それでも、僕の偵察は無駄じゃなかった。」

 レジョネア君が手をそっと下ろすと先生はレジョネア君を一度だけ見上げ、遠くへと走り去っていった。それを見送ったレジョネア君にプレ25が話しかける。
「レジョネア、おそらく次が最後の戦いになる。正直に言って、俺たちの同盟が勝つには何らかの奇跡が必要だろう。そして、俺たちの力が微々たる物であることはお前もわかっているとおりだ。そしてもう、俺がお前に教えられることは何もない。それでも、自分が大切に思うものを守る力をお前はもう持っている。
 そしてもしあいつに…。」
 言葉はそこで途切れた。レジョネア君は次の言葉を待った。プレ25は照れたように言葉を続ける。
「いや、なんでもない。これは俺が自分で伝えるよ。もし何か奇跡があれば、あいつとまた出会うこともあるかもしれないしな。」

「さあ、そろそろ時間だ。」
レジョネア2がレジョネア君をそっと促す。それと同時にサンダー★も立ち上がり、チュート16とレジョネア君をにらみつけた。
「もうあんたたちとかかわることはないけど、これだけは言っとく。あんたたちなんて大キライだ!」サンダー★は一瞬だけドルイド538に目を向け、駆け出していった。ドルイド538はその姿を見つめながらそっとつぶやく。
「あの子はようやく戦うということを理解した…。」

「さようなら、みんな。そしてありがとう。これで僕は迷うことなく戦うことができる。」
大声でレジョネア君がみんなに別れを告げる。その姿は急にぼやけた。

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 レジョネア君は英雄の館で目覚めた。目の前でこぶしを握り締め、力が戻ったことを確かめてからゆっくり体を起こす。
 隣にはインペラ★が横たわっている。しかし、その顔は初めて見たときよりもこころなしか安らいでいるように見えた。その顔にそっと別れを告げ、レジョネア君は扉を開けた。
「お帰りなさい、レジョネア君。」
 待合室にはカエザリさんとカエザリ2が並んで座っていた。レジョネア君の顔を見るとカエザリさんは微笑み、鞘に入った剣を持ち上げた。使い込まれたチュートニックナイトの剣。
「この剣はあなたに返すわ。この剣は私にふさわしくない…。」
 その言葉を聞いてレジョネア君の顔は少し曇った。そんなレジョネア君にカエザリさんは言葉を続けた・
「ううん、違うわ。私がこの剣にふさわしくないんじゃなくて、この剣は私の戦いには必要の無いものなのよ。だからこれはあなたが持っていて。」
 そう言ってカエザリさんはレジョネア君に剣を手渡し、彼の手を握り締めた。彼女のその眼から、レジョネア君は眼を離すことができない。

「エヘン。すいませんレジョネアさん。」
わざとらしく咳払いをし、カエザリ2は話しかけた、レジョネア君とカエザリさんは顔を赤らめ、手を離した。
「申し訳ありませんが、もうわれわれのWWへ出発しなければなりません。出撃できる兵隊は全員準備ができています。後はあなたが出発の号令をかけるだけです。」
「ああ、わかった。今すぐ出発しよう。」レジョネア君はそういって外へとつながる玄関を開けた。

 そこにはこの村の防衛兵がすべてそろっていた。プレトリアンたち、カエザリスたち、そしてその兵たちの最前列には…。
「初めまして、レジョネア★。私はレジョネア部隊の副官、レジョネア3です。どうぞご命令を。」
 レジョネア3以下、数は少ないながらもレジョネアたちが整列し、レジョネア君の命令を待っていた。

「騎兵防御の強化のために、レジョネア部隊を新設したのだよ。」いつの間にか村長がレジョネア君の後ろに立っていた。
「私は決して勤勉な村長とは言えなかったな、レジョネア君。それでも私にも意地があるし、同盟の一員として果たすべき義務がある。だから君たちに命令する。」
 村長は全兵士に向かった号令をかけた。
「全力で戦いたまえ。そして、生きてここに戻ってこい。」
 その言葉に深くうなずき、レジョネア君は兵たちの前に立った。皆、レジョネア君を見つめ、その命令を待っていた。

「さあ、最後の戦いだ!出発しよう!」
 その言葉に兵士たち、いや、村人もみな歓声を上げた。

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 その後の防衛戦でレジョネア君たちは奮戦したものの、大倉庫を守りきることはできなかった。

 レジョネア君たちの戦いは終わった。
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タグ: トラビアン



2010/12/23  9:51

投稿者:sizuXXXX

読み応えありましたねー。
そして最後に、こっそり衝撃の一言がw
大倉庫破壊されたのですね><。
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あっ、背景冬バージョンだーw

2010/12/20  9:48

投稿者:kutan

そういえば、ww戦になってレジョネアさんたちがクローズアップされたんですよね。
大倉庫を守りきれなかったということは、みんな死んでしまったのでしょうか。。。
カエザリさんはどうなったのか・・・みんなどうなってしまったのか・・・プレ25さんはレガティ12さんに再び会うことができたのか・・・。
最終話が待ち遠しいです。



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