2019/9/8

「よこがお」2019年日  今日の映画

 東京の片隅に住んでいる身だとなかなか小さい規模の映画は見れないんだけど、「立川でやんねえのかよ」とやさぐれていたこの映画がなぜか昭島で上映、わーいという事で見てきました。無職の時は一番行った映画館なんだから、たまには使えばいいんだよな。所詮昭島出し当然すいてるかなと思いきや、結構埋まっていた。最近は評判の割に公開規模が小さい映画が多くて、逆に遠征組が来たみたい。

 訪問介護士の市子は気が優しく優秀で、介護先の家庭からも大きな信頼を得ていた、とくにその家の二人姉妹の長女、基子は市子を目標に介護士の勉強にいそしんでいた。しかし、ある日妹のサキが失踪する。やがて、その事件に意外な人物がかかわっていたことで、市子の生活は崩れていく…。

 その後、市子はリサと名前を変え、お客として美容師の和道に近づいていく。お客としてではなく女性として惹かれていく和道。しかし、リサの心は正気と狂気のはざまで揺れていた。リサの目的は…。




 筒井真理子と言えばIQエンジン、というぐらい昔から知っている女優さんなんだけど、ここ最近の演技は鬼気迫るものがある。市子という善良な女性がある事件と、それ以上にある裏切りによってリサに代わり、そして復讐の果てに市子に戻る。映画としては最初の市子と先の物語は平行して進むので、一体何が進行しているのかわからないわけだけど、同一人物でありながら決定的に変わってしまった二人を演じ分けているのである。しかも、後の市子はリサの人格も含んでいる。それをわずかな違いで分からせてしまうのだからすごいとしか言いようがない。
 そして、ファム・ファタルである市川実日子の演技も凄いと思う、ストーリーから言えば彼女の行動が市子を突き落とすのであり、最も憎まれる役である。しかし、人を愛する感情はどうにもできない。相手を傷つけ破滅させるとしてもぶつけるしかないという悲しさの方をより感じるのである。周囲がすべて敵になる中で、一番市子を愛している人間が最悪の敵になる。しかし、それに一番苦しんでいるのは市子ではなく基子なのである。

 この2人の演技は今年の邦画の賞を取らなければおかしいだろうが、たぶん日本の賞はそういう風には出来ていないので無理っぽいなあ。

 ちょっと違和感を覚えたのはサキの失踪事件後の世間の反応。最近の報道を見ると市子に対するバッシングもあるかもしれないが、最近はそれに対するカウンターとしての擁護論も絶対に持ち上がると思う。あそこまで一方的になるだろうか?この話自体があまりに繊細でリアルな演技で成り立っているだけに、そこの不自然さがやや気になった。

 そういえば、池松壮亮は「斬」以来だ。なんというか、世間離れしているというか不思議な雰囲気の人だ。
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タグ: 映画



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