2019/9/16

「工作 黒金星と呼ばれた男」2019韓  今日の映画

 最近はテレビでブームとなっている韓国。自分はあんまりテレビを見ないのでその辺の空気は分からないんだけど、試しに捨てアカウントで高須委員長とか百田尚樹とかをフォローしたのを作ってみたら、あまりに嫌韓で「大丈夫か、これ」と思ったことがある。
 その中で言われているのは「韓国は北朝鮮に融和的すぎる」という事。同じ民族なんだから当たり前のような気もするけど、休戦中とはいえ戦争中の国でもある。今回の映画は、その辺の感覚の一部を感じさせるものだった気がする。

 北朝鮮の核開発をめぐり緊迫した1992年。韓国の軍人パクは北朝鮮への潜入工作を命令される。実業家にふんしたパクは、北朝鮮の対外、経済担当のリ所長と信頼関係を築き、最高指導者金正日に合うまでになる。しかし、韓国の大統領選に絡み自分の工作が無に帰す命令を受けたパクは激しく動揺する…。



 スパイものだと「いかに正体を隠すか」というのがまず問題で、これによってリアリティが生じる。ジェームズ・ボンドみたいに全然隠さない人の話はおのずと荒唐無稽になっていくが、今回の映画はそこにリアリティを感じた。軍人である事とか、自分の本名とかを隠してしまうとそこが暴かれた瞬間にバレてしまうので、自分の本名、経歴はそのままに「軍に失望して実業家に転身するも上手く行かず、北朝鮮にチャンスを求める」という経歴をプラスするんだよね。実際はもっと高度な情報戦が行われているんだろうけど、映画としては他のスパイものよりも一歩先に行く感じだと思った。

 そして、北朝鮮側のリ所長との関係。この2人は共犯関係でもあり友情に似た関係を作っていくんだけど、その描き方も良かった。決して相手を信用しているわけではないし、一歩間違えばお互い破滅してしまうわけだけど、この2人は「これについてはお互いの利益になるよな?」という暗黙の信頼関係を築き上げているんだよね。この「敵味方同士であってもお互いの価値観や行動原理は同じだと信じることができる」というのは韓国映画でなければ味わえない感覚だと思う。
 その上で、北朝鮮や韓国の政治体制には手厳しい批評性もある。日本でも「新聞記者」みたいな映画が出てきたけど、この辺はいまだ韓国の方が先を行っている。暴力表現でもそうだけど、極端な表現へのちゅうちょが無いんだよね。

 最近の日韓関係はあまりに感情的なやり取りが多すぎて、相手への冷静な批評までヘイトと言われてしまう事が多い気がするけど、まずこういう映画を見て自分なりの感想を持つことが、流行に流されない朝鮮半島観に繋がるのかもしれない。
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タグ: 映画



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