2019/10/9

「ホテルムンバイ」2019豪印米  今日の映画

 今年の傾向として「フィクションでもあり得ないような出来事が起きるけど、ホントに合った実話」という映画が多い気がする。今回見た映画もその系譜に連なる映画だろう。ムンバイ同時テロを題材にしたこの映画、ノンフィクションの様な感じかと思っていたけれど、実際には70年代にはやった正統派のパニック映画が復活したかのような印象だった。

 身重の妻と娘を養うアルジュンは、インドの5つ星ホテル、タージマハルホテルでウェイターとして働いている。そこにはイスラム教徒の妻と赤ちゃん連れでやってきたアメリカ人建築家デヴィッドやロシア人実業家ワシリーなど多くのVIPが泊まっていた。しかし、ムンバイの各地でイスラム過激派のテロが発生。ホテルも4人の武装した少年によって占拠されてしまう。特殊部隊の到着は数時間後。アルジュンらホテルのスタッフたちは何とかお客を脱出させようとするが、お客たちも各人ごとの思惑があり…。





 実際に犠牲者が出た事実だけにこういう感想は良くないのかもしれないけれど、まずパニック映画として面白かった。これだけの事件なだけに最終的にどうなるかは知っているわけだけど、登場人物たちの生死は本当に予想できない。4人のテロリストなど棒一本で制圧しそうなチャックノリスやセガールがいるわけではないので、見つかることが即、死につながるという緊張感があるんだよね。特に赤ちゃんと一緒に行動するベビーシッターのサラのパートは本当に手に汗握った。これは、序盤でテロリストの凶暴さをしっかり描いたからこそだと思う。

 また、これも事実だからだろうが「やたら変な主張をして周りを危機に陥れる人」がいないのも良かった。誰もが合理的な行動をしても十分スリリングなんだから、変な仲間割れで場を混乱させる必要はないんだよね。そういう意味では、「事実の脚色」の塩梅がすごく良い映画だったと思う。
 主人公のアルジュンはシーク教徒。ヒンドゥー教とイスラム教を源流としているが全く違う宗教である。しかし自分も違いを説明せよと言われると難しいし、特に外国から見るとよくわからない。しかし、当たり前だがテロリストとアルジュンの考え方は真逆と言っていいくらい違う。そして、それはイスラム教徒の間でも違いがあって当然なんだよね。

 今回の映画では加害者側のテロリストについてはあまり多くを語っていない。しかし、彼らもまた利用される手ごまでしかないことがちょっとしたシーンで明らかになる。自分はこのテロリスト側の物語も語られるべきなんじゃないかな、と少し思った。
 
 まさか、テロリスト側の物語「ジョーカー」をすぐに見ることになるとは。

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タグ: 映画



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