2020/3/16

「彼らは生きていた」2019米  今日の映画

 相変わらずの自粛モードでイベントごとはほとんど中止なんだけど、映画館はかろうじてやっている。で、立川シネマシティみたいなロードショー館は見たことないレベルでガラガラなんだけど、さすが映画ファンは健在でイメージフォーラムはほぼ満席だった。まあ、屋外が舞台の映画だと、コロナもうつらなさそうだよね(偏見)

 1914年のイギリス。第一次世界大戦開戦の報を聞き、志願年齢に満たない少年たちも軍に志願、ヨーロッパへと向かっていく。
 そこで彼らが見たのは泥だらけの塹壕、そして重砲の音が鳴り響く戦場だった。



 前回の「1917」に続き第一次世界大戦物だが、今回はドキュメンタリー。実際NHKやヒストリーチャンネルなどでよく見ていた映像でもあり、内容も含めて目新しいものはなかった。しかし、デジタル処理でカラー化された戦場は単に鮮明で見やすくなったというだけではなく、「自分の世界と地続きの場所で起きた戦争」という実感を始めて持てたような気がする。邦題の「彼らは生きていた」という事実が初めて腑に落ちたというべきか。

 今回の映画で印象的だったのは、敵であるドイツ兵との関係である。スポーツ的というか、「たまたま戦場で敵同士だけれど、同じ人間」という感覚を維持しているのだ。あらゆる戦場でそうだと思うが、兵士は生死の感覚が希薄になっていく。戦友の死がサッカーの失点と同じレベルで語られるのだ。
 ただ、これに関しては映画では第一次世界大戦の大きな要素である毒ガス戦が取り上げられておらず、航空観測で重砲が直接標準される時代も描かれていない。映画駄話会でSimonさんに聞いた話では「第一次世界大戦の塹壕戦のトラウマが第二次世界大戦の機動戦を生み出した」との事だが、そこまでの恐怖感は映画の中では感じなかった。そういった映像もたくさん残っているだろうが、今回の「現代と地続きの戦場」というテーマには沿わないのかもしれない。

 しかし、ドキュメント映像のカラー化がこのような効果を生むとは、ものすごい時代になったものだと思う。いままでは白黒映画のカラー化は際物のような扱いを受けていたが、例えばMGMのミュージカルとかは、カラー化することで新しい魅力を生み出す映画もあるかもしれない。そんなことも考えさせる映画だった。


 
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タグ: 映画



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