2020/8/31

「海辺の映画館」2020邦  今日の映画

 今回は大林宣彦監督の遺作となった映画。大林作品は一通りしか見てなくて、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の尾道三部作、「ふたり」とか「理由」なんかも見たなあ。近年のぶっ飛んでる映画はなぜか映画館で見ておらず、最後ぐらいは映画館で見たいという事で行ってきたのだ。

 あらすじは無し。あらすじが書ける映画じゃないし。



 正直この作品は映画というより、誰かの思い出を見るという経験だった気がする。オープニングですぐに「この映画は理解しようと頭を使わなくていいですよ。ただ見て楽しんでください」と宣言するような映像からスタートするので、3時間近い時間も特には苦にならない。
 思い出と言っても映画史とともに歩んできた大林監督の思い出なので、自分でも知っているような映画の断片がちりばめられている。繰り返し出てくるサイレントの時代は一回だけ活動弁士の会に行ったことがあるので雰囲気は知っていたのだが、雑であからさまな死をああいう風に描いたのにはびっくりした。もちろんこの映画は全編ビックリなのだが。

 私は沖縄に住んでいたことがあるので、沖縄のシークエンスが一番印象に残った。沖縄にいると死と戦争には近しくなるけど、性暴力をふくめ沖縄に対する日本の罪をこれほどあからさまに描いている映画もあまり思いつかない。それは中国に対する罪についてもそうだが、スラップスティックなギャグの中に重いテーマが滑り込まされている。

 そう、この映画はすべてがごっちゃなのだ。まるですべての映画をミキサーにかけたものを摂取したような気分にすらなる。それはどんな味かも説明できないが、確かに戦争の恐怖とともに映画の重要な栄養素を摂取したようなのだ。
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タグ: 映画



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