2011/8/14
東日本の地が暴れ 大海白き牙を剥き
人の暮らしが流さるる 命の炎を波が消す
桜はいつ間に咲いたやら 心が時節に追い付かぬ
ツツジ菖蒲に紫陽花も 振り返りもせず初夏が過ぎ
蝉が鳴かぬと人の声 土中のサナギも臆したか
主役不在の夏緑樹 全ての摂理が狂う年
球児揃いて甲子園 原爆投下に目を閉じて
終戦以降の復興の 力問わるれる島の国
猛暑酷暑が報じられ 熱を帯びたる人倒れ
ここぞとばかりに蝉が鳴く 戻りた夏日に汗にじみ
ペルセウス座の流星群 深夜の公園仰ぎ見る
肥えて太りた霞む月 四角き天空星三つ
夜鳴く蝉声耳に付く 短き命の終焉を
明日は乾きて道に落つ 定め知るかの焦り鳴き
波にさらわれ陽に倒れ 時計の秒針指す先の
我れ等命の有る無しを 読めぬ余命に支度せず

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