2012/10/31
空が墨絵となる頃に 無駄足踏みたは増上寺
右折の車に照らされて 影が流れる門の木戸
手招き呼ばるる人は無く 背中押したる人も居ず
山門前のT路地で 余した時の迷い道
素直に戻れば浜松町 ところが根に付く天邪鬼
境内囲う壁を行く 外気澄ませる都下の寂び
未熟な木枯らし足元に カサカサ枯れ葉の渦作り
首を肩にと埋もれたる 埃無いのに目を細め
知らぬ存ぜぬカ−ブ道 時折り追い抜くテ−ルの灯
大都市むせる人いきれ ここは無縁の異空間
六本木と言う丘山に 視線上げさすビル並び
互いの窓が映し合う 東京姿見三面鏡
心は鏡に映らぬが 鏡を覗くは意識なり
自分に酔うか嘆くかの 幾多の躁鬱住まう街
戦後復興記念碑の タワ−と共の半生に
言葉通わぬ鉄の塔 旧知の仲よと笑みをくれ
赤き電飾立ち姿 世継ぎが隅田の川に建つ
いささか腰が曲がったか 踏ん張るヒザは痛まぬか

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