いさぜん旅館投宿も 夕食無いとで外に出る
駅から続く一本路 湯音にはしゃぐ子供声
地域専用共同湯 エコーが掛かり叱る母
いつの時代も同じなり わらし風呂さえ遊びとす
開店なのか店休か 中華屋覗き怖ずと開け
ポニーテールのおじさんが 夕刊途中でお出迎え
ラーメンスープは仕込み無し 他のモノでと出すメニュー
どれも鮮度が疑われ 今日のお奨めあえて聞く
客人どこに宿を取る? いさぜん旅館と答えれば
あの宿湯質は地の自慢 冷やし中華が共に出る
ビール頼めば品切れと たまたまお隣酒屋さん
一息おいて届く生 東京時間が当てはまず
宿賃たかが知れたもの 交通費こそが負担なり
フリーチケット夫婦者 日帰り三日で来たと言う
番犬吠える湯治道 濡れた髪にて行く家族
地域共同風呂帰り 雪の季節をふと思いやり
