2022/1/3
除夜の鐘聞く 界隈に
住民票を 届け出て
浅草名乗り 四十年
下町風情 溶け込めり
演芸ホール 初笑い
落語と言えば 若旦那
柳橋から 船を出し
粋な遊びと 吉原へ
外八文字 おいらんを
年期明けにて 身受けする
ハッピーエンド 稀なもの
行燈灯り 影つくり
借金形に 身を売られ
処女に入れるは 何処の誰
幼なじみの 好いた人
恥じる涙に かすみ消ゆ
客も取れぬと 罵られ
作り媚売る 飾り窓
月の証しが 止まりたば
蓮の茎挿し 堕胎せり
流行り病に 感染病
女郎に逃げる すべは無し
辿り着きたる 大門の
外の世界は 眩し過ぎ
少女のままで 逝く御霊
乳を求めて 泣く水子
せめて救いの 観音も
はがねまぶたに ひとしずく
令和遊郭 吉原に
どこで募集の 社交達
すべて自由の 世の中に
体売る性 人の性
通り渡れば 猿若町
白塗り芸子 三味の音
千束抜けて 吉原の
神社に参る 初詣

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