あゆみ還る季節たち

2021/9/28 | 投稿者: sendaikoffeeco

秋晴れ。
店から徒歩すぐの西公園へ。

"ぼくを覚えていますか?"

あるオトコから連絡があった。
うーん、わからないなあ、、と冗談めかして返したけれど、忘れるわけはない。 

ひさしぶりに、俊介からの音信だった。

12〜13年前。
"弟子にしてくれ"
いきなり直訴してきた青年は、あとにも先にもあいつひとり。

SNSもまだない時分。

開業から長いことたって、大々的に雑誌にとりあげられ、はじめてskが世間へ露出された記事をみて
"ビカーン!とイナズマがはしりました。"

これだ!とおもったそうで、
その勢いそのまま、スーツに履歴書持参でとびこんできたのが、やつだった。

"おいおちつけちょっとまて
おれはそんなレベルを持ってないよ"
そう諭しても、まっすぐこちらを向いたまま引き下がろうとしない。

この俊介というオトコは、端から独立志願だった。

こちらこそ、学びはじめたばかり。
だけど昔の自身へすがたを重ねてしまったこともあって、
うちを通した経験で、なにかを感じとってもらえるだけでもいいのだろうか、と
"ホントたいしたことは教えられないけどさ"
そういって、skで一緒に働いてもらうことにした。

やつは、ほかで生計をたてながら、空いた時間をうちで過ごしていた。
帰京しなければならないやつの事情もあって、四季が一周するくらいの短い間ではあったけれど、
思えば、ジンセーたがいの黎明期に、たがいに不安を抱え、おなじ方向をみて仕事をした、師弟というより、同志のような間柄であった。

節目では近況を交わしていた。
困難なミチでも、俊介なりの裏付けが感じられるまでは、意思を貫く気でいるはず、そうおもっていた。そして、なにかあれば、かならず助けてやりたい、そうもおもっていた。

おおくは語らないけれど、この間、あいつだって縷縷苦労を積んできたはずだ。
やっと店を持てそうだ、来年にはスタートするつもりだ、と報告がきたときは、心底うれしかった。

skにこどもがうまれるような、そんな感じがした。

あれから仙台もずいぶんかわった。
この時世のこと、その後の影響も、根深いものになることも。

この先、うちも変わらずいられる保証はないだろうな、と予測や覚悟をかためつつ、
そうした意味では、skも、skのなかの季節がひとまわりしてしまったのかもしれないな、とそんなことを考えていた矢先。

これも重なるなにかかもしれない。

仙台をはなれるときに、田村さんからいただいた、"負けるな" と記された御守りは、あれからずっと財布にいれています。
やつからそんなことを言われた。

コロナ禍。2年弱にもなる試練。
ばからしくくたびれるやれやれな毎日に、
俊介越しから
ひとまわりも前の自分が発したコトバが、ケツをけとばしてくる。

還暦のsk。
あたらしいsk。

秋晴れは、たしか出発の季節だったはずだ。


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